Scribble at 2022-08-17 12:10:23 Last modified: 2022-08-17 12:15:26

おおよそ Twitter を @philsci という既に何年も前に失効させたアカウントで使い始めた頃からだから2006年か2007年からだったと思うのだが、もう Twitter はプライベートで家族とメッセージをやり取りする用途でしか使っていない。それ以上に「ソーシャル」な目的で繋がる必要などないし、それが〈悪いこと〉であるとは全く思っていない。それは、本質的に Twitter が人間関係を構築したり維持するためのサービスではなく、おおよそ誰でも感じているように広告媒体でしかないからだ。毎日、みなさんは Twitter のタイムラインを眺めているのだろうと思うが、それはまさに自分や家族が書いた走り書きのメモ用紙と、誰かが勝手に皆さんの手に捻じ込んだチラシとを、延々とめくりながら眺めているのと変わらないわけである。こう想像してみれば、Twitter のタイムラインに張り付いてせっせとツイートしてる、アメリカの大学教員なんかが哀れで、アイビー・リーグの博士号を取っても末路はこうも悲惨なものかと思う。まるで実験動物のサルか、あるいは迷路をぐるぐると動くネズミのロボットみたいだ。

こう考えれば、すぐにわかることだが、学術研究者や技術者、あるいはなんでもいいがクリエーティブな仕事をしている人間であれば、こんなツールに身を任せるのは絶対にやめたほうがいい。学者でもエンジニアでもクリエイターでもなく、そういう肩書をもつだけの文化芸人として振る舞って飯を食うというなら、Twitter でパフォーマンスを繰り広げるのも一つの見識だと思うが(誰かが AV 女優やテロリストになるのも一つの選択だと言うのと同じ意味で)、まじめに何事かの業績を叩き出すことこそ自分が生きている理由だと思うなら、こんな時間と労力と精神衛生とお金を浪費する「ソーシャル」と自称するだけの広告媒体になど関わるべきではない。

その理由は、まったく単純だ。そして、単純に、ロボットのように是々非々で行動できない人間こそが、逆に自らの人間性を失う他人の道具になって人生を浪費させられてしまうのだ。つまり、広告や宣伝やセールスというものは、〈既にあるもの〉を提示しているにすぎない。彼らの一部は「商品開発」などという言葉を使うが、実際には商品を設計する知識や理論もなく、商品を製造する材料工学も知らないし、それどころか大半のマーケティングや営業の人間はロジスティクスや在庫管理の現実も知らない。つまり、営業とかマーケティングの世界においてすら口先だけで自分たちが何事かをやっているかのような集団心理を自ら作り出しているのである。それで飯が食えているなら、勝手に食わせておけばいいが、関係のない人間が一緒になってエコー・チェインバーの中で法螺話を繰り返す必要はない。つまり、「商品開発」なんて言ってる連中には「商品」の知識もなければ「開発」するための知恵も技術もない。よって、本質的にマーケティングや営業という仕事はブローカーでしかないのだ。アメリカ人がよくあからさまに差別的なニュアンスで言う "salesman" というやつである。(もちろん、学者が営業に比べて「聖職」であるとか、マーケターが賤業だと言っているわけではない。)

それに対して、われわれ学術研究者やクリエイターやエンジニア、あるいはサラリーマンや八百屋でも構わないが、何事かを一から組み立てたり考案したり、もしくは八百屋と言ったが初めてのお客さんを相手に人間関係をつくる努力をしたりするような仕事に従事する者であれば、そこには出来合いの、Twitter で誰かが教えてくれたり用意してくれるような道具やリソースや材料や商品なんてないのだ。それらは、自分で作り出すしかない。そして、Twitter のタイムラインを眺めていても、そのために大切な知識やヒントなんかは絶対に得られない。他人がそんなことを教えてくれると思っている時点で、まず学者やサラリーマンとして自立して仕事をする力がないし、そんな無能が何事かを成し遂げるわけがない。よって、殆ど同語反復みたいになるが、タイムラインにしがみつくことが無能の自己証明なのである。

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