Scribble at 2021-04-20 14:35:01 Last modified: 2021-04-20 16:30:25

大規模な退店をする企業も現れ始めている。今年に入り、コナミスポーツは2月末に9店舗、5月末に16店舗を閉店すると発表。直営店は2021年3月末時点で168店舗あり、閉店数は実に全体の1割以上にのぼる。業界大手の中で財務状況が著しく悪い会社はないものの、大規模に新たな収入源を獲得する未来が見えない中、フィットネスクラブ業界は長期間の我慢比べの様相を呈している。

幽霊会員の「フィットネス離れ」が起こす大問題

いわゆる「コロナ不況」の中で、一箇所に大勢が集まって息を吐いたり吸ったりするフィットネス・クラブでは退会者が増えているという。中でも、この機会に「利用していなかった」と自覚して辞めていく幽霊会員が多いらしい。利用していないユーザが辞めるのは仕方がないし、そんなユーザがいる、あるいは居続けることを当てにして財務を担うバカはいない。別に感染症が流行しなくても、そんなユーザは他の外部要因で簡単に増えたり減ったりするのが当たり前だし、どういう外部要因が起きるのか予想などできないからだ。予想できない事情で変動する売上を見込んで事業計画を立てるのは、経営ではなく博打でしかない。

フィットネス・クラブの効用はある。毎日のように使うわけでもない(ストレッチならともかく、筋トレは毎日やるものではない。こんなのは僕らが高校生の頃でも常識だった)器具を自宅に置くのは、たいていの家庭では邪魔なものである。組み立て式だと強度に問題や制限のあるものがあるし、分解できたとしても収納するのは大変だし、使うたびに組み立てるのは面倒臭い。大型の器具になればなおさらだ。また、何年も使うと想定したところで、合計すれば何十万円にもなる専用の器材を揃えるのは高くつく。買ってみたら自分の用途に合わないと後で分かる場合もあれば、はっきり言って欠陥品もあろう。そして、フィットネス・クラブだと適切な使い方を教えてくれたり、トレーニングの計画を立てるのを手伝ってくれるインストラクターもいる。こうした幾つかの点を考慮すれば、一定の会費を払ってフィットネス・クラブを利用する価値はあると思う。会費が安くて自宅の近くにあったら、僕も利用したいくらいだ。

現状では利用者が減っていくのは仕方のないことであり、業態としては器具をレンタルしたり、新しい器具を入れ替わり届けては回収するといった〈トレーニングの宅配〉みたいなものを考える必要はあろう。ずっと器材を置いておくのが嫌だからこそフィットネス・クラブへ行く人もいるのだから、一定のタイミングで回収すれば心配は減るだろう。また、器具の使い方やアドバイスやトレーニングの計画もオンラインでやれば・・・そういや、RIZAP ってこういうサービスじゃなかったっけ。

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