Scribble at 2022-10-19 20:26:01 Last modified: 2022-10-19 20:26:47

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[philsci.info と共通の内容を投稿する]

Amazon で販売されている自称出版物に Notebook や Graph Paper といったメモ帳の類を出品するクズどもが無数にいるという話は何度か書いているが、他にも検索していて困るノイズやゴミがある。それが、ゴロツキみたいな科学オタクや哲学オタクの書いた稚拙で無教養な自費出版物だとか、Wikipedia からコピペしただけの自称著作物、あるいは他人の著作物を複製したあからさまな違法商品である。もうすでに、アマゾンはこれらを調査したりスキャンするようなリソースを自社のサービスに使っておらず、通報しても商品が削除されることは滅多にないし、削除しても毎日のように同じ商品が再び登録される。ご丁寧に、そうしたガラクタの多くは独自の ISBN まで取得している場合があるため、なかなか機械的に検査ロボットのようなものを配置するのも難しいのだろう。業界をリードする機械学習のクラウド・サービスを AWS で提供している会社ですら、自社のサービス・サイトに続々と登録されている違法商品を排除するアルゴリズムを考えて実装できないのである。しょせん、道具なんてどれほど高度で強力なものを用意したところで、クルクルパーしかプログラムを設計する人間がいないようでは、ハンミョウに複素解析の初等的な問題を解かせるようなものだ。

サービス事業者としては、機械的な手段を使うと第一種過誤のリスクがあり、その場合の法的なトラブルを避けたいという意図があるのだろう。それは分かるが、第二種の過誤によってガラクタを正規の商品として売りさばくことによる、アマゾンというブランドの価値が損なわれるデメリットを無視するという傲慢さがいつまで有効なのかという問題になろう。いまのところ、彼らは消費者が自分で何とか対応してくれるという甘えたスタンスをとっているらしいので、仕方なくこのような投稿で消費者どうしで注意を呼び掛けるほかにないというわけだ。

さて、上に並べている画像は、そういうガラクタのような自称出版物の事例である。Kindle Direct Publishingで電子書籍を製作するときのテンプレートと言ってもいい表紙のサンプルがあって、そういうものを安易に使うだけで大量にガラクタを量産するのがバカや詐欺師の常套手段だ。よって、上記のような表氏と色や文字の書体が微妙に異なるだけの、ワンパターンな電子書籍が続々と登録され、逆にそのワンパターンによって僕らのようにガラクタばかり見せられているカスタマーからすれば、一目でガラクタだと分かるわけである。

もちろん、僕も将来は電子書籍を制作する計画があるので、アマチュアの自費出版を一概にクズだのガラクタだのと言いたくはない。僕は、少なくともプロパーが書いた出版物と比べて量や質でも引けをとらない水準の科学哲学のテキストを書くつもりだ。というか、分量についてはアメリカの self-contained なテキストを目標にしているので、国内の著作としては最も分量が多い西脇与作氏の科学哲学のテキストと比べても10倍以上のページ数になるものを予定している。しかし、必要に応じて読むべき内容を選択できるようなガイドも設けるし、ページ数が膨大だからというだけの理由で価格の設定をページ単位で算出したりはしない。そもそも、1,000ページの本を1ページ1円で換算して1,000円するというだけで「500ページで500円にするべき」といったコメントを書いている人をしばしば見受けるが、自分の必要な内容だけ抜き出して値段を払いたいなんてふざけた根性の人間に学問を学ぶ資格などない。そういうバカは科学哲学を学ぶよりも先に、仕事でもして世の中の仕組みを知って成人として成長するのが先であろう。

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