Scribble at 2022-05-10 07:52:38 Last modified: 2022-05-10 08:10:45

大阪市北区の堂島にあった電通の関西支社ビルは既に取り壊されて、いまは「ブリリアタワー堂島」とかいう、「ブリーゼ・ブリーゼ」に匹敵する奇妙な名前のビルに建て替わった。そして、Google Maps を眺めていて気付いたのだが、隣の「新藤田ビル」も「JRE堂島タワー」に名前が変わっている。「藤田」の名前は、明治時代から財界で権勢をふるった藤田組の創業者である藤田伝三郎が由来となっている。この改称はビルの所有者であるジャパンリアルエステイト投資法人によるブランディング(所有しているビルに全て「JRE」を冠したようだ)であり、もちろん持ち主が名称をどう変えようと好きにすればよい。既に旧「新藤田ビル」は2008年に JRE に買収されていたのだから、買って即座に名称を変えたというわけでもなく、それなりの経緯があったかもしれない。ふつう、ビルの名称を変更するのは入居しているテナントの顰蹙を買うからだ。名刺や封筒の作り直しなど、テナントにもそれなりの(ビジネスとして何の必然性もない)出費が必要だし、場合によってはテナントが移転するきっかけを与えてしまうことすらある。実際、改称予定のビルの名称が気に入らずに事業所を移転する会社だってあるのだ。もちろん、今回の改称にあたっても、北ヤードのグランフロントや中之島のフェスティバルタワーをはじめとする新しいテナント・ビルへ事業所を移転する動機付けを与えてしまっている可能性もあろう。高齢者になればなおさらだが、やはり「藤田」のブランドが神通力をもっていた世代もあるからだ。

ちなみに、なんで Google Maps を眺めていたかというと、昨日の落書きで取り上げた FC2 の実質的な運営会社とされる「ホームページシステム」という会社がどこへ移転したのかを調べていたからだ。経営者が起訴された頃は中之島のダイビル(なんで上場しておらず、公称の売り上げ規模も1億に満たない会社が、こんな有名ビルの与信を通ったのか知らんがね)に入っていたのだが、現在は心斎橋にある、たいていは風俗業者が入居する「日宝」ブランドのビルに移転していた。フロアとしては殆ど中規模のスナックが入るような広さだ。もちろん、こんなところで大規模なサービスを仕切るネットワークを維持したり、数多くのサービスを統括できる、それなりのスキルの技術者を確保できているとも思わない。それこそアダルト・コンテンツの運営会社をはじめとする風俗業界の方が、或る意味では「先進的」なことをやる傾向にあるため、既に DX だのクラウドだのと御託を言う連中が出てくる前から、大半の制作スタッフやエンジニアはリモート・ワークやらクラウド・ソーシングやらで分散させている可能性がある。財務・経理の(本当の)情報とかも、当然だがクラウド・ストレージで運用しているだろう。

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