Scribble at 2021-07-15 09:22:48 Last modified: 2021-07-15 11:51:12

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新たな時代に求められるのは、ひとりひとりのココロとカラダとつながりが満たされるオフィス。

変化する社会に寄り添った新基準で感染症対策へも配慮。健全・快活なビジネスライフを実現します。

本町サンケイビル HOMMACHI SANKEI BUILDING

本町にサンケイビルができるという。場所は北御堂や相愛大学から本町通りを挟んで南というから、もともとオンワード樫山のビルがあって、2年ほど前に解体されて長らく駐車場となっていたブロックだ。あの辺りはテナント・ビルが解体されると、次にできるのは決まってホテルかタワー・マンションであり、この新型コロナウィルス感染症の流行でインバウンド需要とやらが消失したせいか、ホテルが新築されるという話は殆ど見かけなくなった(堂島では、かつてサントリー本社の隣にあった堂島ホテルが解体されて、再びアロフトとかいう安っぽいホテルとなったのだが、あれもいつまで続くのやらという気がする)おかげで、圧倒的にタワー・マンションの建つ事例が多かったのだが、今回はテナント・ビルとなるらしい。

そういや、昔の電通ビルからまっすぐ北へ向かった国道2号線の交差点(桜橋西)にも阪神産経桜橋ビルというのがあるけれど、あのビルはサンケイビルとは別の管理らしい。それよりも、ウィキペディアで調べてみたら近くにあるブリーゼタワーこそが、もともと産経新聞の本社があった場所に建っていると知って、少し驚いた。

奇妙なことなのだが、読売新聞、産経新聞、朝日新聞、毎日新聞といった全国紙の大阪本社ビルは、どれも大阪駅から微妙に離れた場所にある。もちろん記者が取材へ行くのに列車に乗ることは少ないだろうから、わざわざ車が混雑する大きな駅の傍になくてもいいとは言え、朝日新聞なんて大阪駅から20分くらい歩かなければならないし、読売新聞は風俗街のど真ん中だし、毎日新聞の本社は大阪駅周辺で最も閑散としたカラスしかいないような僻地にあるし、産経新聞に至ってはいちいち調べないと本社がどこにあるのかすら分からないありさまだった。日経? ああ、そんな新聞もあったね(京阪東口や、かつては遊郭だった今橋のあたりにビルはあるが、どこが本社ビルなのか誰も知らない)。

それはそうと、記事を読むと、新しくテナントビルが建つ理由として幾つか書かれている。あの、多くの方が覚えているように、歌舞伎役者が出てきて気味悪い仕草を繰り返すコマーシャルで知られるエンタープライズ・ソフトウェアの自社ビルみたいに豪勢な改築を施すというならともかく、いまどきテナントビルを新しく建てるにはそれなりに説得力のある理由が求められよう。「新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークが長期化するなか、『昨年の今頃は、オフィスを半減させようかという企業も見られましたが、やっぱり会って働くのが大事だという流れになりました』とオカムラの研究機関、ワークデザイン研究所でチーフリサーチャーを務める池田晃一さんは分析する。」果たしてそうだろうか。

事業者の業態や、事業内容の業種、それから働く人たちの職能や職位によって、そんなことは幾らでも条件が変わる。そんな「流れ」なんてないし、それ自体が従業員のモチベーションを低下させる要因になっていることに気づかない経営陣が、いまだに多くの企業にいることがおかしいと気づくべきだろう。もちろん、対面でのやりとりが必須な職能や業種はもちろん、対面の方が効果的と言える場合も多々あるので、僕も一律にリモート・ワークへ全ての事業者がシフトする(べきだ)などと言うつもりはない。何にしても、リモート・ワークから事業所内の業務へ戻った方が効率的な事業者がどれくらいあって、本町に事業所を構えられるのかという分析をした方がよく、恐らく家具会社の「リサーチャー」(要するに、ただの調べ物係だ)には荷が重すぎる分析課題なのだろう。

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