Scribble at 2023-06-01 15:24:15 Last modified: unmodified
基礎と応用を扱う著作がいきなり出てきていたので驚いたのだが、ようやくまとまったテキストが出てきて喜ばしい。正直、国内で読んだ人がどういうまともな業績を出せたのかはなはだ疑わしい圏論の翻訳や通俗的な体裁の愚劣なエッセイばかり出版し続けるよりも、色々な分野のテキストを充実させる方がいいと思うんだよね。確かに、マックレーンの翻訳とか大熊さんの難しい教科書しかなかった時代に比べたら良いとは思うけれど、それこそネットいなごのように熱病かと思うような出版ブームを煽ったところで、そもそも論理学の勉強すらしてない人がいきなり圏論の本を読んで何ができると思っているのか。
とりわけ、日本では IT 系の技術者が買ってくれるという皮算用をしていただろうし、実際に買ったエンジニアはいると思うが、都内の無能な IT ゼネコンやインチキ・ベンチャーの諸君に聞きたいが、それで圏論で君らはどういう業績を残したのかね。総務省案件で圏論の教科書からコピペしたような蘊蓄を書いて、1cm ほど企画書を分厚くして見積もりの金額を上乗せできたていどだろう? きみたちみたいな NEC やアクセンチュアで炎上案件ばかり生み出すしか取り柄のない無能にできることは。
ということで、国内では殆ど河合教育研究所の薄い本か新井さんのテキストの一部でしかまともに取り上げられていなかったモデル理論のテキストが出たのはいいが、またぞろ何かのブームを煽って続々と出されてもあまり意味はないと思う。他の出版社が追随してモデル理論の教科書を出すなら、たとえば Hodges のデカい方を訳すとか、それくらいの「貢献」と呼ぶに値するようなことをやるべきだろう。イージーに研究者の雑文を寄せ集めて出すような愚行は重ねないように願いたい。