Scribble at 2023-11-10 13:59:48 Last modified: 2023-11-10 14:10:24

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Omegle Was Forced to Shut Down by a Lawsuit From a Sexual Abuse Survivor

アメリカでも、あるいは世界中でと言っていいだろうけど、この手の出会い系サイトというのはインターネットが普及してきた、それこそ「前世紀」などと大げさに表現していいほどの昔から、手を変え品を変えて展開されてきたサービスだ。そして当然だが、結婚詐欺や、売春の斡旋や、ストーカーや、不同意性交や、未成年者との淫行、その他、ありとあらゆる性犯罪の温床となっていたのも事実であろう。もちろん、こうしたサービスを通じて健全な付き合いとか結婚とかに至った人々もいるとは思うが、それらの成功事例を考慮しても余りあるほどの被害が生じており、申告されたり報道されているのは、まさに氷山の一角と言って良い。正直、フェミニストでなくとも、なんでこんなサービスが十分な行政の監査も監督も受けずに罷り通っているのか、不思議でしょうがない(たぶん、電気通信事業者としての届け出だけでやれる)。こんなものがリバタリアンの掲げる「自由」とか「イノベーション」とか「経済発展」の姿なのかという気がするね。

したがって、被害者の訴えによってサービスが停止され、サイトが閉鎖されることは当然だろうと思う。これとは事情が異なるけれど、たとえば Wantedly のような人材紹介などに類するサービスにしても、この手の事業を展開する人々が二言目に言うのは、「自分たちは場所とチャンスを提供しているだけだ」というものである。要するに、昔から言われる「技術や道具は悪くない、それを使う人間が悪いのだ」という、僕に言わせれば低劣なモヒカン族のクソ理屈(bullshit)と同じだ。しかし、オンライン・サービスというものは用途が限定されたり制約されていない数学的に定式化された理論とは違って、明らかに特定の用途を想定しており、どうやれば悪用されるかを最初から想定できるという点で、サービス事業者には最初からリスクを低減させる責任があると僕は思う。そして、そういう責任を負わず正当な対策をしていなければサービスを許可しないという態度を、やれ規制だのイノベーションへの抑圧だのと、都内のインチキ起業家どもが文句を言おうと、そんなことはヤクザやチンピラが自分たちを「社会の必要悪」だの「汚れ役」だのと言って正当化する話と同じである。

アニメのセリフのようで恐縮だが、敢えて言おう、こいつらはカスである。こんな連中を抑圧しても、別に社会の生産性が下がったり経済成長を鈍化するわけでも何でも無いのだ。インチキなリバタリアンどもに騙されてはいけない。

それから、アダルトや出会い系のようなサービスが新しい産業とかサービスの起爆剤になるっていうのは、確かにそういう傾向があるのは事実だ。VR ですら、DMM とかが VR のアダルト・コンテンツを広く扱うようになって、ようやく少しは普及した感があるけれど、いまだにスマートフォンを眺めているゾンビの方が多い。普及するには、やはり初期投資の閾値というものがあるのだ。VR のエロビデオを使うのに必要な初期投資が5万円を超えるような実情では、たとえば大学生や高校生は気軽に手を出せない。そして、そういう起爆剤としての役割があるとしても、それは正当な規制なりレギュレーションが整備されるまでの空白期間だけであって、産業が発展するにあたっての必要条件でもなければ必要悪でもないのだ。最初からまともなコンテンツと販路とマーケティングだけで儲かるビジネスができるなら、誰でもその方がいいのである。

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