Scribble at 2024-08-05 13:21:37 Last modified: unmodified
公平のために言うと tcsh は今も開発が続いており（プロジェクトページ）、最新版の 6.24.01 は 2022年5月12日にリリースされています。最新版では新機能 $'...' (dollar-single-quotes) も追加されています。これは POSIX シェルでも標準化されると見られている機能と同じで、バックスラッシュエスケープ文字を使うことが出来る文字列クォートです（例えば echo $'FOO\nBAR' の \n のような書式で改行文字を使うことが出来ます）。もしかしたらいずれは問題点が根本的に修正され、復活を遂げる日が来るかもしれませんが、現状としては大きな影響力があるシェルではなくなっています。
シェル・スクリプトを専門にしているエンジニアの人物が書いている歴史や概観だ。ふだんは Qiita の記事なんて検索結果の寄せ集めにすぎない WELQ 並の落書きだらけなので読まないが、C Shell について書かれた日本語のページを検索しているときに、たまたま見つけて一読してみた。公平かつ的確なスタンスで評価・説明されていて、さすがにシェル・スクリプトの運用をしている人物だけのことはある。仕事や生活で使ってもいない技術の検索結果で ChatGPT に下書きさせたような、Qiita には溢れかえっている「まとめ記事」や、公式ドキュメントのインストール記事を ChatGPT に翻訳させただけの「インストールしてみた」系のガラクタに比べたら、格段に記事の内容と切実さが違っている。シェル・スクリプトや UNIX, GNU/Linux のシェルについて概観を得たい方には、一読をお勧めしたい。