Scribble at 2023-12-11 19:11:09 Last modified: unmodified

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社会保障の現状をみると「若者は老人より絶対的に貧しくなる」と悲観する人がいるが、そんなことはない。マクロ経済的には技術進歩が続く限り成長し、子は遺産を相続できるので親より豊かになる。賦課方式の年金は現役世代が老人に金を貸す国債と同じで、不公平のようにみえるが、相続を考えるとそうでもない。

社会保障の格差は資産格差である

そら、数字としてはそういう計算になるのかもしれないけれど、はっきり言ってこの手の経済論議というものは現実離れしていて空論としか思えないんだよな。

そもそも、この国で「資産」と呼べるようなものを蓄積できる現役世代がどれくらいいるんだろうと思う。高度成長期に適当な財産を築いた上場企業の役職者クラスは、そら何億の家屋敷や有価証券や貯金があろう。そして、それを子供に相続すればいいだろうし、そもそも成金の実家でパサライトしてる連中なら、なんにもせずに都内の一戸建てを貰い受けるはずだ。しかも固定資産税は株やら外貨為替のやりとりなどで勝手に積み上がって支払われたりする。

でも、そんな家庭って日本で何割なんだろう。だって、いま労働生産人口の半分近くが非正規雇用だっていうよ。つまり、将来の財産はおろか、現在の実家の助けも当てにできないで孤立して働いているワーキング・プアが半分もいて、それから僕らのように親が何の財産ももってない(せいぜい年金で葬式代を貯めてるていどの)サラリーマンだって少なくない筈だ。加えて、非正規ではなくともシングル・ペアレントという家庭だってある。つまり、相続だの財産だのという話が現実味をもっているのは、カスみたいな土地でも広大な田畑や宅地と家屋を持っている田舎者どもと、一部の成金だけだ。そんな人々がどうこうなるくらいで国家の経済が安定するなんて妄想は、はっきり言ってトリクルダウン詐欺と何が違うのかという気がする。

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