Scribble at 2024-07-10 15:09:52 Last modified: 2024-07-10 18:44:34
体系的な内容の教科書を使ってノートを取る場合に、僕は小学生の頃から3つくらいのパターンに大別できるレイアウトを使っている。いまでこそ、そうしたレイアウトを前提にノートへ特殊な罫線を引いた商品が「どこそこ式」などと言って販売されているが、はっきり言えば進学校の小中学生にもなれば、誰だってノートのレイアウトは自分で工夫したものだ。中には、無地のノートへ授業で聞いたことを雑然と、しかし異様に細かく書いて紙面を真っ黒にするような豪胆というか兵(つわもの)もいたが、多くはノートに色々な工夫をしたり、イラストやら漫画を自分で書き込んだり、シールを貼ったりしていたわけである。なので、別にこういうレイアウトは僕あるいは当時の僕らがオリジナルではないだろうし、多くの学校で誰かがやっていた筈だと思う。こうして人前で公に語っている者だけが特殊なわけでも優れているわけでもない。
パターンの一つめは、上の図には出していないが、ルーズリーフの片面だけを使うというものだ。そして、裏に他の本で読んだ補足事項や、僕自身のコメント、あるいは記載している内容を自分なりに自分で理解しやすいように言い換えたり、後から「こう考えたらどうか」などと追記するために使う。いま、高校数学3年分を1冊のA4版のルーズリーフにまとめたものを使っているが、これはベースにした参考書に対して、後から相当な数(たぶん50冊近い)の他の参考書や単元ごとの副読本などで補足しているため、裏面ですら足りなくなるような場合もある。おそらく高校の教員などは、まじめに授業ノートを作っていれば、みんなこういうものになるだろうと思う。
二つめは、上の図にある左側のレイアウトだ。これは、ルーズリーフやシステム手帳のように後から追加でページを挟んだりできない、製本されたノートでのレイアウトだ。どれについても、後から追記する余白を残すのが僕の方針であるため、ぜいたくなことだとは思うが、左側にベースの内容を書いてから、右側に補足を追加する。三つめも、これは上下に分割して、下側に補足事項を追記するようになっている。
レイアウトの使い分けは、ノートそのものの判型がA4版なのか新書サイズなのかという制約にもよるし、ノートが 5mm 方眼なのか 7mm の横罫なのかという条件にもよる。たとえば、英語の文法ノートは手軽に持ち運べるように新書サイズを選び、一つずつ単元ごとにページを分けたおきたかったので、上下に分割している。左右だと左側に書く分量が多すぎて、単元ごとにページを分けると無駄が多くなると思ったからだ。高校数学のノートをルーズリーフ式にしたのは、後から参照して追加する参考書の数が多いと分かっていたため、そもそも左右に分割するだけではなく、後からページを追加できるようにしたかったからだ。そしてそのうえで、左右に分割すると物理的には別のルーズリーフで共通のテーマを扱うというおかしなことになるので(ルーズリーフで見開きとなるページどうしは、用紙としては別になってしまう)、これは表に書いてから追記を裏に足していって、まだ必要なら追加の用紙を足していけばよいというわけである。
こういう方針は、確かに人によっては「ぜいたくで無駄なノートの使い方」に見えると思う。なるほど、或る程度は裕福な状況だけで自由に採用できる方針かもしれない。しかし、だからといって、後から追記する内容は付箋を使るか紙を差し挟めばいいという考え方には賛同できない。幾つか理由はあるが、第一に、付箋を使うと貼る場所によってノートの厚みが増えすぎて扱いづらくなったり変形したりしてしまう。第二に、付箋や挟んだ紙は落ちる可能性がある。第三に、付箋はサイズが調整しづらいので、1行ぶんのコメントを追加するだけでも一定の大きさの付箋を貼り付けるという無駄が生じたりする。第四に、付箋は色が着いているため、重要な箇所であることを示すマーカーや、単元ごとにインデックスとして使っている付箋との視覚的な刺激としての衝突が起きる。そうした幾つかの理由で、付箋はあまりおすすめしない。