Scribble at 2021-07-06 17:13:08 Last modified: unmodified

韓国の時代劇は朝鮮半島の歴史を題材にした時代劇について記述する。韓国では「史劇(サグク、ハングル:사극)と呼ばれる。

韓国の時代劇

何年か前まではマンションの通信環境が J:COM という酷い経緯で NHK の衛星チャネルも契約していたため、大河ドラマと直後の短いニューズ番組が終わった21時から放映されていた、韓国制作の時代劇ドラマを観ていた。大河ドラマも日本の時代劇だが、こちらも「大河ドラマ」と言えるスケールではあるから、同じく熱心に観ていた記憶がある。ウィキペディアで紹介されている作品から、実際に観たものを時代順に並べてみたら、以下のようになる。

・太王四神記

・奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜

・宮廷女官チャングムの誓い

・チェオクの剣

・トンイ

・イ・サン

ウィキペディアに列挙されている作品を見ると、韓国では日本の「現代劇」に相当する近年まで含めている。確かに、日本語でも「時代劇」と言うだけでは別に古いという含意もないし、そもそも「時代」という言葉に〈昔の〉なんて意味はないのだから、おかしな表現ではある。そもそも、この呼称は当時の映画産業で「旧劇」と呼んだパターンの作品に対抗するために〈新時代の〉劇という脈絡で「新時代劇」という言葉が使われていたりした事情に関連しているため、この「時代」という言葉は歴史的な一時期や期間のことを指しているわけではないのだろう。

なんにせよ、NHK の大河ドラマに比べて権謀術数や駆け引きや虐待の話が多くて陰鬱かつ悲惨な印象を受けるのだけど、何回かに渡って続いた展開から主人公が逆襲するかのような粗筋には、(現代にあって脚本を書いている韓国人から見て)必ずしも朝鮮半島の人々が儒教的な価値観を固く信じていたわけでもなかった様子が伺える。そうでもない限り、女中から王妃になったり奴隷から官僚になるといったパターンを幾つも「過去の朝鮮にあった(ら良かった)出来事」として描くわけもない。それは、NHK の大河ドラマで名古屋の貧農から関白・太閤にまで成り上がった豊臣秀吉を何度も描き直して放映している事実と、似たようなところがあるのだろう。

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