Scribble at 2018-10-01 12:29:38 Last modified: 2022-09-28 12:13:21
昨今、まるで次世代の経済学とか最新の経済学であるかのように行動経済学の本を出版して煽っている連中が都内にたくさんいるようだけど、こんな連中が本当に社会や世界の改善とか向上を願っているとは思えないんだよね。矜持のある出版人がわざわざ話題になるくらいなのだから、大多数の出版人は新潮社や幻冬舎に唾を吐くなんてことはできまい。
そもそも市場が個人の価値判断だけでなく色々な外部要因にも影響されて結果を出すものである以上は、実体として非合理であるか、あるいは現行の経済学では分析不能であるか、それらのいずれか(もしくは両方)であろう。そして、われわれの知識にそういう限界があるという事実は事実である以上は誰でも分かることであって、このていどのことはアダム・スミスでも心得ていただろう。それを、社会心理学の成果を持ち込むていどで解決できるわけがないのは、当の心理学者や認知心理学者がとっくに承知していることだろう(それで市場の動きが分かるくらいなら、心理学者は全て先物取引を始めるだろう)。