Scribble at 2026-06-26 07:31:21 Last modified: 2026-06-26 07:36:29

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 企業間の決済手段として広く利用されてきた手形と小切手が、2026年度末で全て廃止される見通しになった。全国銀行協会(全銀協)が、手形や小切手の決済システム「電子交換所」の運用を27年4月で終える方針を固めたためだ。明治以来続いてきた制度に終止符が打たれることになる。月内にも発表する。

手形・小切手は26年度末で全廃、電子交換所が終了へ…手形は「下請けいじめの温床」の指摘も

バックオフィス、とりわけ財務や経理の実務家はとっくにご承知であろうが、手形・小切手という制度が廃止される。

企業のキャッシュ・フローを安定的に管理し運用し改善するための方針は、もちろんお金が入ってくるのを早めて、お金が出ていくのを遅くすることだ。こうすることで、自社にキャッシュが増えることとなって、赤字だろうと事業や経営を続けていける。逆にこれが回らなくなると、ご承知のように黒字倒産というのがありえるわけだ。そして、支払いを遅くするための方法として採用されてきたのが手形・小切手である。記事にもあるように、「支払う側の企業にとっては、一時的に資金繰りが苦しくても後払いできるメリットがあった。一方、受け取る側の企業は、支払い側と下請け関係にある場合が多い。手形の現金化が遅れ、資金がショートすれば倒産を招きかねず、下請け業者の経営圧迫につながるとの指摘もあった」ということで、現金化の期日を決められる元請けの大企業側にすれば都合のいい制度だが、現金化を先延ばしされるだけの下請けにとっては何のメリットもない制度だ。というか、この条件を受け入れることが不文律のように取り引きの要件になっていたりするのだから、あからさまな文面しか証拠にできない下請法なんかでは救えないのである。よって、手形・小切手という制度がなくなるのは、僕は良いことだと思っている。

なるほど、キャッシュを貯めこめないので投資に回す余裕がなくなり、経済の活性化にとって悪影響があるなどと言う人はいるだろうが、そういう経済学者や経済評論家や経営者やアナリストの類は、たいてい大企業の R&D 社員だったり、ミクロ経済の学者でもエージェントとして大企業しか見てない三流だったり、あるいは一緒にノーパンしゃぶしゃぶへ行くお友達の上場企業しか見えてない国家官僚だったり、NewsPicks や Abema とかによくいる、何らかの伝手(金融、あるいは反社)やラッキーで上場したような都内のベンチャーのチンピラ社長だったりする。こういう連中は、いまでもトリクル・ダウンを信じている(ふりをしている)ので、株主の手前もあるのだろうが、大企業や上場企業が経済を回しているという妄想で経済を語るしかないのだ。もちろん、そうは言っても中小零細企業や非正規社員こそが経済を回しているなどという左翼の倒錯を主張したいわけでもない。

逆に言えば、手形や小切手という制度がないだけでキャッシュ・フローが著しく悪化するような大企業や上場企業は、実は「ゾンビ企業」ではないのかということだ。つまり、そういう制度を利用した時間差で残るだけのキャッシュで回しているも同然なのであるから、下請けの側にいる中小零細企業であれば倒産していてもおかしくないはずの状況を他社へ負担を押し付けて保っているにすぎない。そういう企業は、やはり事業者としては実質的に死んでいると見做して市場から追い出すべきであり、それこそリバタリアンらが尊ぶ経済の活性化にとっても有効であろう。なのに、ふだんはリバタリアンのようにふるまっている都内のインチキ経営者どもは、保身のためなら原則や思想やイデオロギーなんてものには固執しないわけである。

ともあれ、このところ個人情報保護法のように自分の実務に関係のある法令だけでなく、それこそ憲法や独占禁止法のような法令のテキストまで集めて幅広く勉強しようとしていたのだが、たまたま手形小切手法のテキストは買わずにいたのは幸いだった。何かの参考として新書ていどを読むのはいいが、教科書をいまから買って勉強するのは無駄である。ちなみに、こういう場合って、大学で手形小切手法を専門にしてる研究者ってどうするんだろうな。来年からは、代わりに道路交通法か風営法を教えますなんてわけにはいかんだろう。

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