Scribble at 2023-04-21 10:41:58 Last modified: 2023-04-21 12:27:08

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Is Soap Necessary for Shaving?

半ページにも満たない、論説というよりもコメントの類と言った方がいい文章なのだが、なかなか興味深い話題である。これは百年以上も前の1916年に公表された文書だし、著者であるジョージ・アーバー・スティーヴンス氏は1945年に亡くなっていて、著者が死去してから75年以上は経過しているのだから、著作権は失効していると思うのだけど、転載や翻訳には Springer Nature の承諾がいるという。その手の著作権のクリアランス・センターというサービスがあって、そこへユーザ登録してから permission の申請をして Springer Nature の承諾が得られたら、当サイトで原文を掲載して翻訳も付けられる・・・なんて、やるわけねーだろ。面倒臭い。僕は著作権という制度そのものは支持するけれど、現行の法令や条約は著作権や隣接権を過剰に保護しすぎていると思う。はっきり言って、こんな科学論文や技術論文とすら言えないエッセイの類なんて、10年くらいで著作権を失効させてもよかろう。これの権利を保護して、いったい本人や家族や子孫が何ドル儲かるのか、儲かる「べき」だというのか。

こんなことをやってるんでは、中国やロシアでせっせと海賊サイトが横行して誰でも中国語やロシア語に翻訳した文章を読める(そして、実質的には知識や情報を不正であろうとシェアして役に立っている)状況から生み出された成果に勝つことは難しくなるだろうと思うね。現に欧米は中国やロシアの業績に数でも質でも押され始めていて、結局は「デジタル保護主義」と言うべき無用なデータ保護の規制とか過剰なプライバシー保護の法令や強力な制約がある著作権の条約などで「良い子の市場」を守っているにすぎない。もちろん、「悪い子」に幾らでも専横のままにさせるのはいけないが、現行の規制はゆきすぎだと思う。

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