Scribble at 2024-08-04 13:01:48 Last modified: 2024-08-04 22:53:19

僕も新人の入社ガイダンスを担当するような立場の人間として、色々な工夫だとか、自分なりの見識をもって新しく入ってくる人たちに接している。でも、そういうことは、ガイダンスを担当する立場であれ、あるいは既に働いている職場に新しい人を迎えるという、一般社員の立場であれ、結局は同じことだと思うんだよね。そうであればなおさら、企業の人事担当やガイダンスを担当する立場にある者は、およそ人とはなんであり、人間関係とはなんであり、そして仕事や事業とはなんであるかということについて、最低限の知識や見識をもっている必要があると思うわけだよ。僕がつねづね、上場企業の人事部ですら 99% は社会心理学や労働法の修士号すらもっていない素人だとして、およそコア・コンピタンシーに欠けていると非難している(批判どころではない。愚かで未熟な人事は、長期的な効果によって分かりにくいだけの、会社の崩壊にあたって組織を point of no return へ押しやる致命的な原因なのだ)のは、こういう点にも理由がある。

たとえば、毎年のように今年の新卒は何々タイプだとか何々型だとか、ナンセンスどころか有害としか思えない戯言を繰り返して公表しているバカどもがいるし、SNS 上にも「こういう上司は嫌だ」とか「理想の上司は誰それ」みたいな暇潰しの御託を並べては、何か世の中に対して意見があるかのような馬鹿な若者が下らない投稿を繰り返す。そして、そういう馬鹿な話に少しでも感化されて、酒の席で部下の気を引いたり、あるいは「いまどきの若者に理解のある大人」を演じようとして、寝小便たれどもを「さん」付けて呼ぶ軟弱教師のように怖怖とふるまうなど、およそ組織を率いる者として愚行でしかない。もちろん、その逆に相手を人とも思わないような態度で、「お客さまのためなら死ぬまで働けるよね?」などと電通や光通信やリクルートですら言わなくなった(と思いたいが、どうだかね)クズ正論を振り回す、わざわざパワハラなどと言わなくてもよいような連中にも部門長なり先輩なりとして大きな問題があることも事実だ。正直、先に生まれたとか先に入社したとか、そんなことだけで後からくる者よりも能力があるとか偉いとか、そんなことはありえないのである。そういう人々の大半は、単に社内の事情を先に知っているだけにすぎず、別に業界知識を新人よりも多く知っている保証もなければ能力があるとも限らないわけであって、しかるに自分たちがガイダンスで教えている社内のルールなどについても、それが他人に押し付けるべき妥当な決まりである保証もないのである。実際、社内で規定されていない決まり事の多くは違法である場合も多々ある(だから証拠にならないよう「規程」などと文書化されず、「社風」などと誤魔化されているわけだ)。

僕らは、どれほど有能なエンジニアでも、どれほど経験や知識や実績のある chief privacy officer であろうと、凡人であることに変わりはない。もちろん、僕は今年の新卒の 99.99% よりも仕事ができて有能でものを知っている自信はあるが、それでも 0.01%(1万人に1人ていど)の新卒は僕よりも仕事ができて有能で知識も豊富である可能性はあると思っている。すごく少ないように思うかもしれないが、卒業者が16,000人ていどいるとされる日本大学ですら、僕よりも有能な人間が1人はいるという計算だ。学卒でだよ? 日大の。国公立の大学院で博士課程を出ている人間としては、桁違いに謙虚な自己分析だと思うがね。そして、それに加えて、僕は会社でも日大出身どころか大学すら出ていない人に対しても、同じように振る舞っている。僕らは全能でも万能でもない(さすがに「有能だとは思うがね」とは言わないが)のであって、会社のルールや規程にも間違いはありえる。なので、おかしいことはおかしいと言って欲しいと、派遣社員だろうと新卒だろうと同じように言ってきたし、これからも同じように言うであろう。そして、これは何も弱い立場の人に善人ぶって機嫌をとりたいなんていうスケベ根性で言っているわけではないのであって、単なる厳然として事実だからなのだ。こういう事実に立って人に対するという見識がない人事担当というのは、およそ基本的な能力がないと思う。

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