Scribble at 2023-04-21 17:06:20 Last modified: 2023-04-24 15:48:01

初めてプログラミング言語を学んだ頃は、教科書やマニュアルを読みながら、見よう見まねでコードを書いて動かすという作業を繰り返して習得していた。初めて学んだのは、1981年に SHARP の MZ-80B を購入して同梱されていた SB5520 BASIC("SB" は "SHARP BASIC" の略)だ。それから、ハドソンの Hu-G BASIC とか、それからパナソニックの JR-100 という小型のパソコンも買ったので JR-BASIC というのも覚えたが、どれもベンダー依存の奇妙な仕様だった。

それからいったんは高校になってワープロを使い始めてからパソコンを使わなくなったため、だいたい10年くらいブランクがあって30歳近くになってから再び(インターネットを利用し始めて)プログラミングに関わるようになった。とは言っても、仕事ではなく自分のサイトを運用するための JavaScript と Perl を覚えたのだ。何度か書いているから驚く方はいないと思うが、もともと僕は Perl のプログラミングをしていたのである。そして、PHP という言語を使うようになって、当時はオープン系の開発会社ですら「PHP って何ですか? そんなプログラミング言語なんて聞いたことないな」というありさまだった。そらそうだ。そういう連中は英語が読めないので、だいたい5年くらい情報が古いのである。そういう中でバージョン 1.0 にすらなっていなかった WordPress を使ったりしていた。Zend の資格を取得したのは2006年の春であるから、かなり日本では早い方だったはずだ。Zend の Yellow Page でも日本人の有資格者は5人もいなかった(英語試験しかなかったからでもあろう)。その後、国内で PHP のコンサルとか受託開発をやってる会社と Zend の日本法人(日本法人があったのだ)が共同で日本語版の試験を用意していたのだが、それも頓挫して、次に日本でオリジナルの資格試験ができたようだが、いまだに認知度が殆どない。というか、いまだに続いてるのかどうかも知らないが。

そうやって、PHP も前職で実地によって習得したのだが、その後に触れたり仕事でも使うようになった Python や C や Erlang といった言語は、どちらかと言えば実地によって身に着けたというよりも、体系的なテキストをまず読んで言語の仕様を掴んでからコードを書いて身に着けていったような手順を踏んだ。これは、既にプログラミングの経験があるために、どういう学び方が良いの悪いのと議論するためには前提が偏っているために、何か一つのやりかたがいいと断定することはできないのだけれど、体系的なテキストを使って学ぶという手順が一概に悪いとか効率が悪いとは言えないという実感がある。

体系的に言語仕様を学ぶ際には、漫然とテキストを通読するだけではいけない。それは、何週間か前に書いた PHP の本を通読した場合のように、既に習得したツールの知識をアップデートするときにはいいが、一から言語仕様を学ぶときには忘れたり調べ直したりする手間がかかって効率が悪い。手間がかかっても、丁寧にノートを作ることをお勧めする。そして、実際にやってみれば分かるはずだが、プログラミング言語のテキストを使ったノートの作成なんて、それほど大部になるページを書き留める必要なんてないのである。少し考えてもらえばいいが、オライリーから販売されている「デスクトップ・リファレンス(原語では "Pocket Reference")」と呼ばれる言語仕様などの小さな本は、C だろうと Java だろうと200ページ以内で言語仕様をまとめている(分厚い "Nutshell" の方ではなく、縦長の判型で出版されている本だ)。そして、そういうものですら省略してもいい記述をたくさん含んでいるわけで(序文とか凡例とか、あるいは制御構造の初歩的な説明とか)。あれを更に簡略化した、メモとまではいかなくてもシンプルにまとめたノートを作ったら、せいぜい A5 判のノートでも50ページていどの分量に収まると思う。

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