Scribble at 2023-07-23 17:33:49 Last modified: 2023-07-23 22:49:20
なかなか冷静に書かれた文書である。ここでは内容は紹介しない。読んで僕が思ったことだけを書く。
バージョン管理システムについては、一時期だけだが Git だけでなく旧来からの scm も含めて色々と学ぼうと考えていたこともある。実際、当社で「システム部」を預かっていた頃は4人くらい部下がいたこともあるので、CVS を導入する必要があるだろうと思ったのだ。でも、実際にはウェブの制作事業で開発部門の全員がチェック・インするような規模の案件なんてないんだよね。大半は、やはり一人でやれるようなことだし、実際に僕はそうやって当社のシステム開発が関わる案件を全て一人で担当してきたのだった。もちろん GitHub Desktop は使ってるし、実際にいま携わってる案件のソースを GitHub に預けているのだから、バージョン管理システムと縁遠い仕事をしているわけでもない。でも、はっきり言って本質的な重要性は「ない」と言える。過去のバージョンに戻したことなどないし、ありそうだと思って GitHub を使っているわけでもない。それに、これは GitHub Desktop というフロントエンドがあるからこそ使っているようなものであって、単独の Git だけなら使ってない。ともかく Git で困るのが、/.git/objects に放り込まれる、あの大量のゴミだからだ。
確かに、仕事に使うからといって、その道具のプロにならなくてはいけないかというと、そもそも凡人がやることに不必要な基準をもうけてはいけない。それがコンピタンシーなんてなくても事業を回していけるフォーディズムなりテイラー主義というものの神髄であろう。仕事を担うのは、たいていの会社、そしてたいていの職能においては、凡人なのだ。よって、Git が想定するような、みんなリーナス・トーバルズであるか、彼と同じ方向を指向する「べき」であるといった宗教じみたスタンスは、システム開発、とりわけ凡人が携わるようになった現代のブルーカラー的なコーディングにおいては邪魔なだけである。