Scribble at 2022-03-14 12:24:05 Last modified: 2022-03-14 12:36:14
クラウド・ワーカーのすべてに、そしてそういうモデルを採用しているすべてのサービスに当てはまるわけではないとしても、上記の指摘は一つの見識として通用すると思う。よく、池田信夫君のようなリバタリアンが「雇用の流動性」を天下の御旗のように掲げて推奨しているわけだが、流動性どころか、かようなサービスが普及すると流動性なんて逆になくなってしまうんだよね。なぜなら、仕事したい気になったら即座に待機して取り掛かれるという、はっきり言って〈永遠の素人〉たちが従事する業務なんてものは、もうあと何年かすれば更に安くて速くて確実で、そして途中で嫌になったからといって仕事を放り出したりキャンセルなんてしないロボットや AI の自動実行プログラムによって置き換わってしまうからだ。
しょーもないレベルのビジュアル・デザイン(そもそも必要かどうかすら不明だが、たとえば名刺のデザインとか)なんて、もう既に自動化されている。顧客は膨大な見本から選ぶだけだ。自費出版だって、顧客が版下を PDF で入稿すれば印刷・製本、そして Amazon への出品まで自動で処理される時代がやってきている。つまりは、いまクラウド・ワーカーが(クラウド・ワーカーゆえに片手間でもできる)未熟でヘタレなスキルとか知識とか経験で仕事としてできてしまっているような作業なんて、それこそ自動実行するべきものとして次々に人を排除するのがトレンドである。よって、クラウド・ワーカーとして働く取り柄なんてものは、上記の記事で語られているように、しょせんクラウド・ワーカーを仕切っている「ブローカー」どもの都合がいいように出来ているだけなのだ。
時間が少し空いたときに働ける。それは結構だが、しかしそれは果たして「労働」なのか。小遣い銭だけ渡されてガキがタバコを買いに行ってるようなものだろう。小遣い銭の中からクラウド・ワーカーは国民健康保険の保険料なんて払えない。