Scribble at 2022-08-30 16:11:18 Last modified: 2022-08-30 16:28:39

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著者用コピーとは、Amazon で販売されている「販売中」のペーパーバックを印刷したものです。この著者用コピーには、KDP で行った未出版の (下書きの) 変更内容は含まれません。

著者用コピー

Amazon Kindle の KDP では、著者用のコピーを制作できる。事実上の自費出版に対応していると言えるだろう。ペーパーバックのモノクロだと100ページていどなら1冊400円で作れるので、少量を知人に配るといった目的なら(自分で版下を準備できるなら)手軽だし、版下の自由度もかなりあるので便利だ。

将来の予定だが、『やちまた』の人名索引を作る予定が頓挫しているため、これを人物の紹介も兼ねて形にしたいと思う。また、それ以外でも既に PHILSCI.INFO でお知らせしたように、科学哲学の教科書を制作するプランを練っているので、これはペーパーバックというわけにはいかないし数年規模のプロジェクトだから時間はかかるが、やり遂げたい仕事の一つだ。そして、ほかにもあると言えばある。

・FORTH のテキスト

・数値解析と秘密分散のテキスト

・確率的因果関係の哲学のテキスト(神戸大で博士論文の研究課題としたテーマ)

電子書籍のユーザが書いているコメントを読んでいると、とにかくリフローでないという理由で酷評を叩き付けている人が数多くいるので、文章が主体のタイトルはリフローでフォーマットを選ぶのが無難だろうと思う。でないと、レイアウトを固定する意味があるタイトルならともかく、そうする必然性がないのにレイアウトが固定されると、文字が小さいままだったり窮屈な読み方になるので、腹を立てる人も出てこよう。ただ、たとえば科学哲学の教科書のように InDesign でしっかりレイアウトした著作物は、残念ながら僕がリフローの電子書籍が嫌いだという理由もあるが、リフローで出すつもりはない。大き目の判型で出す予定なので、ピンチングで文字を拡大してもらうか、それが読める10インチ以上の画面サイズのタブレットでも買ってもらう他ない。

余談だが、僕がリフローの書籍を嫌う理由は、読むときのレイアウトの融通は利いても、逆にいくつかの点で融通が利かないからだ。たとえば、リフローだと固定した位置に脚注を置けないので、必ず後注の体裁になる。1章ごと、あるいは全体の末尾に注釈を並べるしか方法がなくなり、注釈を追加する方法の選択肢がなくなってしまう。脚注には脚注の利点があり、特に注釈を細かく補足しつつ読み進めないといけない著作の場合(古典の注釈など)は、後注と本文の往復をするのは無駄である。また、リフローだと「ページ」という概念がなくなるため、それしか読んでない人は参照するべき該当箇所を典拠表記できなくなる。これは、学術文献を書くときには不正確で曖昧な情報を読者に与えることになりかねない(理数系の論文がページ数を参照しない典拠表記を多用するのは、別に正当でも合理的でもなく、ただの習慣である。そして僕は学術研究者として、それは悪習だと思う)。

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