Scribble at 2025-05-06 10:20:34 Last modified: unmodified

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ただし、ローゼンタール氏がDVD-Rでバックアップするのは、DVD-Rのメディア寿命が15年以上保持できることがわかったからではなく、DVD-Rが書き込み専用であるという特性を重視しているため。書き込み専用であることによって、バックアップデータが破壊されることはあっても変更されることはないという利点があるというわけです。

「デジタルデータのアーカイブに対する誤解」について熟練デジタルアーキビストが語る

まず、ここで解説されているように、「アーカイブ」と「バックアップ」がデータの保護として異なるコンセプトだという点を改めて強調したい。アーカイブは確かに長期間のデータ保護や保管を必要とするが、バックアップはストレージや通信の障害における保険みたいなものにすぎない。たとえば、弊社でも多くのデータを Dropbox で運用していて、それらのデータを逆にローカル環境の NAS にバックアップしたり、そこから再び違うクラウド・ストレージへ二重にバックアップしていたことがある。現在は、財務的な事情もあって過剰な予算は使えないからやっていないが、NAS にバックアップする目的は、Dropbox が DDoS 攻撃などで利用できなくなったときに、必要なファイルを別の経路(Google Workspace など)で社員に渡すためだ。つまり、Dropbox が使えなくなったときまで使えていたデータを使えるようにすることが目的なのであって、1年も5年も前のファイルをダウンロードして使うことが目的なのではない。寧ろ、そんな古いファイルなんて必要ないし、法的に保管が求められている経理のデータですら、あらためて3年や5年が経過してから必要となるケースなど殆どない(もちろん、上場監査や税務署の査察に入られたら提出しなくてはいけないからこそ、保管しているわけだが)。しかし、アーカイブのデータは古いデータが古いまま残ることにも意味があるので、そういうデータも永続して残す必要があるのだ。

で、僕も20年以上は前の自分のサイトのデータだとか、あるいは修士論文を書くときに入力したワープロ専用機のフロッピィ・ディスクから CD-R へ保存しなおしたデータなどを保管していて、それはつまりアーカイブが目的だ。

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