Scribble at 2024-10-01 09:51:23 Last modified: unmodified
まず最初に、今回の自民党総裁選については殆ど何も書いていなかったけれど(立民は、いまのところええわ)、僕もこういう程度の低い選択肢の中から選ばなくてはいけないとすれば、やはり消去法から言って(党内での地盤は薄いが)一定の支持者がいる石破氏か、あるいは神輿として軽い小泉の小倅が選出されるのではないかと思っていた。僕自身が期待したり選びたい人材など、そもそも自民党にはいない。政治家としての政策立案能力や官僚の統率力だけで言っても、もう宮沢喜一氏や後藤田正晴氏のようなレベルの自民党議員はいない。まだ棺桶に入ってないジジイが何人かいて重鎮を気取っているが、森とか二階なんて昔の自民党なら雑兵もいいところだし、麻生も結局は地元の土建屋とヤクザの力だけで勢力を保ってる「お坊ちゃん」にすぎない。だいたい、菅なんて官房長官が関の山で、ああしたレベルの政治家が内閣総理大臣になってしまうなんて、いかに自民党の層が極端に薄くなってしまったかという実例だろう。
もちろん、昨今の自民党は昔で言ういわゆる「党人派」が強くて、宮沢、後藤田、それから中曽根とかもそうだが、いわゆる「官僚派」が少なくなってしまった。この理由の一つは、単に地方からの叩き上げや二世議員が増えたからというだけではなく、恐らく官僚派のリソースとなっている官僚そのもののレベルが下がったからであろう。しかし、少なくとも官僚出身であれば調整なり妥協というコンセプトは身につけているわけで、そこは高市早苗氏のような、場合によっては調整や妥協を無視した奇妙なイデオロギーで政治を動かしかねない人物よりもマシとは言える。だが、もう現在の自民党の官僚派で総裁選を戦えるような人物はいなくなったと言えるのだろう。
もちろん、僕もおおむね総裁選については信夫くんと同じく、高市氏が「女性初の内閣総理大臣」などというマスコミ受けだけの理由で政権を担ってもらっては困ると思っていたから、このたびの結果は良かったと思う(もちろん、石破氏のような底の浅い軍事オタクが防衛省や自衛隊や安保に関わる重要な決断をしてもらっても困るわけだが)。ともかく、『産経新聞』を眺めているとあからさまに「高市総理」を熱望する記事ばかりで辟易させられてしまったのだが、ああした日本会議や極右団体や宗教団体に強い関わりをもつ、はっきり言って反米右翼としか思えないような人物(アメリカで学んだり働いて挫折したり差別された経験のある人に多い。日本の論壇で反米や日本の伝統・美徳などを口にしている物書きの多くは、実際にはアメリカの大学を出ていたりする)は、アメリカにとっても総理にするのは危険だった。