Scribble at 2021-12-22 17:46:49 Last modified: unmodified

今回、ファイナンシャルアドバイザー(野村証券)を選定して広く入札手続きを実施し、複数候補者からの提案を受けて慎重に検討を重ねた。その結果、ハンズの今後の成長に資するカインズからの提案、その後のカインズとの協議を踏まえ、カインズがハンズのベストオーナーとなり得ると判断し、株式・債権をカインズへ譲渡することを決定したという。

カインズ/東急ハンズ買収、DIY文化の共創パートナーとしてシナジー見込む

なるほど。引き取り手を探していたわけだな。そもそも、大阪ではフラッグシップの店舗と見做されていた心斎橋店のビルを引き払って他のテナント・ビルへ店子として移転するという話が2020年に出ていた頃から、コロナ禍で業績が急に悪くなったのだろうとは思っていた。倒産よりはマシかもしれないが、どこに買収されようと業績を回復するのは、まだ先になるだろうし、そもそも僕らは東急ハンズが屋号を変えようと店を開こうと、もう足を運ぶつもりはないので、ひょっとするとカインズが経営しても同じままの品揃えや値段設定なら復調は難しいかもしれない。

これはコロナ禍の話とは無関係に、そもそも東急ハンズは何年も前から苦戦していたと思う。おしゃれな雑貨ストアは Loft という競合があるし、DIY グッズは更に品揃えが豊富なホーム・センターが続々と出てきた。それに加えて、どちらにしても品揃えだけは圧倒的なオンライン・ストアが登場している。実店舗で現物の商品を見て回る楽しさは理解しているつもりだが、何を買うか決めていて値段や品質管理だけが気になるような人々にとっては、足を運ぶ必要もないオンライン・ストアが有利なのは事実だ(たとえば洋書の場合だと、僕も既に丸善などに足を運ぶ必要性を感じていない)。

加えて、大阪の雑貨ストアはたいていどこでも十数年来の「爆買い」に対応して、観光客相手の下らない土産物(抹茶味なら何でも取り揃えていた印象がある)やグッズの類を優先してならべてきたし、そもそもごく普通の文房具などでも値段が高い。地元で昔から営業している文具店で売っているのと殆ど同じような値段なのだ。気軽に遊びに行くつもりで眺めるくらいの遊びとして訪れるならともかく、真面目に何かの道具を揃えに行くような店舗ではなくなっていたのだ。

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