Scribble at 2023-05-03 17:35:44 Last modified: 2023-05-03 18:03:23

剃刀の研ぎのデタラメな解説として、恐らくだが「1年ほど練習しているうちに研げるようになった」などと書いているものも入ると思っている。理由はこれまで僕がここで書いてきたことと同じ勘違いだ。

剃刀の切れ刃を付ける研ぎ方は刃先と刀背を砥面に密着させることではない筈なのに、多くの(包丁やナイフしか研いだことがない)研ぎ師や、切れ刃の付き方を知らない剃刀マニアは、鈍刃になっている切れ刃よりも手前の傾斜を京都の高級砥石でせっせとバカみたいに削っているだけなのである。そして、それをやっているうちに、当たり前だが切れ刃の手前部分が全て削れてしまうため、本当に切れ刃も削り始めてしまう。そして、簡単に言えば小刃のない包丁と同じ研ぎ方になってしまうのだ。手前の部分と切れ刃との区別がなくなってしまっているため、単に切っ先を鋭く研いでいるだけとなり、そのうち鋭さという点では剃れるような刃になる。でも、それは単に鋭い包丁みたいな bevel でしかなくなるので、本当に切れ刃が付いている剃刀とは違って刃先の耐久性がすぐになくなる。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook