Scribble at 2026-04-17 11:02:12 Last modified: 2026-04-17 11:17:57
実は、昨日はジュンク堂へ行ったときに、人事系の棚を見ていて、目標管理とか研修計画などの本を買おうとしていたのだが、それをやめたという経緯があった。そして、自宅に帰ってから、同じく人事関連の書籍である内藤貴皓(ないとう・たかひろ。所属企業のサイトにすら記載されていないが、読み仮名くらい書いたほうがいい)氏の『採用大全』(総合法令、2025)という本を眺めながら、これの批評でも書こうかと思ったのだが、そもそも読むまでの必要があるかもはっきりしなくなってきた。もちろん、僕も内藤氏と同じく、人事や採用によって企業はだんだん腐敗してくると思っていて、たいていの企業は人事や採用を軽視しているからこそ、経営陣が思っているよりも早いスピードで企業は腐り果ててしまうのだと言いたい。そして、その理由はきわめて単純である。無能は無能しか採用しないし、無能な人事裁量しかやらないからだ。
そして、その会社に初めて入った人事担当者が有能あるいは最低でも凡庸である保証など、実際には殆どないのである。経営者自身が人事をやるなら、その結果は自分で責任を負えばいいが、誰かに任せるのであれば任せるに足りるだけの人材を据えることが最重要の課題だろう。そして、それを人材紹介会社に相談するのは構わないが、ああした「人買い」どもに委託したり丸投げするのは厳禁である。「*ズリーチ!」なんて連呼してる、所属企業の事業よりも自分の待遇を上げることしか頭になくて前のめりになっている無能の巣窟と言われているようなサービスを安易に利用するべきではない。
とまぁ、こんなことは考えているのだが、おおむね内藤氏の考えも似たようなものだろうし、ここから外れるにしても、それを僕が批評してどうにかなるわけでもない。もちろん、プライベートで何か利得があるわけでもない。我が家には、これ以上の人材は増えないし、家庭という組織に人事考課などない(喩えになるコンセプトとしてすら成立しない)からである。すると、せっかく購入したのではあるが、一読して「あーそうそう」などと溜飲を下げるていどの効用しかない読書に浸るほど、もう僕の読書に費やせる時間は残っていないと思うので、もっと他に熟読するに値するような本に時間を費やす方がよいと思う。もちろん、これも企業の部長として言うのだが、あと二年で還暦になるような段階までに至ったサラリーマンにとって、別にこれから昇進したり起業したり転職して経営者になるわけでもないのに、人事について考えをまとめたり、誰かの本を批評する必要などあるとは思えない。ましてや、偉そうなことで申し訳ないが、この僕がだ。ということで、この手の本も残念ながら売り払うこととした。
ただ、せっかくなので内藤氏の著作を概括しておきたい。そして、彼が力説しているポイントも、僕がこれまで書いてきたことと同じだが、「プロフェッショナルな人事部」を育てて、経営陣がサポートすることなのである。そうすることで、人事がつまらない社内の雑用に振り回されることも減るし、予算もしっかりつけて計画や準備や研修などに時間とツールと人材を活用できる。結局のところ、企業経営を安定して継続するために採用や人事が重要であるという基本をわきまえることで、そこに予算や人材を投じてプロとしての人事担当者を育成し維持することが重要であることも自明となる。そして、内藤氏の本で解説されている事項の大半は、そこから全て出てくる結論なのだ。「片手間採用はいけない」とか、「採用にも応募者がかけるのと同じくらい時間をかけて準備する」とか、「自社の長所だけを宣伝したり、つかみどころのないフレーズで表現するな」といった論点は、すべてプロの人事担当者であれば避ける筈である。