Scribble at 2023-11-06 23:57:44 Last modified: 2023-11-07 00:08:55

経営学とかビジネス書が根本的に後知恵の集積でしかないのは、たとえば典型として「ロング・テール」という実例で説明できる。ロング・テールで業績を伸ばしたとされる代表はアマゾンだけど、アマゾンというのは、むかしから商品のレビューと出品者のレビューとを混同してるカスタマー・レビューを放置してて、彼らはカスタマーをそういう点で混乱させても企業としての売上成績に関係ないと思ってるんだよね。

つまり、「ロング・テール」というのはニッチな商品を個別に売り捌けばビジネス・サイクルとしては終わりだという理屈でしかなくて、こんなもんはデタラメな扱いをして二度と売れなくなってもいいというくらい膨大な点数とジャンルの商品を扱ってるアマゾンだからこそできることなんだ。なので、たいていの企業は自社が提供する限られた商品とかサービスでビジネスを展開しているわけだから、そういうビジネスによって going concern であろうとするなら、ロング・テールなんて絶対に真似してはいけないんだよね。

なのに、渋谷とかの小僧どもの馬鹿騒ぎに騙されて、都内のクルクル・パーなお坊ちゃんが経営するベンチャー・キャピタルとかは、そういう線香花火みたいなビジネスに投資しては散財を繰り返す。だって、彼ら自身も原資は出身銀行とかの伝手でかき集めた泡銭でしかないわけだから、実は投資した会社が儲かろうと倒産しようとどうだっていいんだよね。存続してる間は、投資元と投資先とで馴れ合って、六本木ヒルズの「隠れ部屋」で芸能人の卵を覚醒剤とか使って弄ぶのに暇を潰してるわけだ。

なので、後知恵として興味深い話とか事実はあるから読むこともあるけれど、正直なところ経営学の本とかビジネス書というのは、読み物としての価値はラノベとか俳句集とか、あるいは昭和の時代劇のタイトル文字を集めてみました的な本と大して変わらないんだよね。『我が経営』は面白かったけれど、それは『三体』とか『神を見た犬』を読んだ面白さと殆ど同じであって、僕自身が企業の役職者として何か活かすかというと、ビジネス以前に人間関係とか人間のやることなんて、そんな簡単なもんじゃないと思うので、まぁこれまでの経験から言って100冊読んで一つくらい何かしてみようかと参考にするくらいかね。もちろん、ロング・テールなんて参考にしないし、「ティール組織」なんていうモルモン教の応用でしか無いしょーもない組織論も論外だ。

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