Scribble at 2023-07-04 08:07:17 Last modified: 2023-07-04 23:44:14
このところ、NHK は特に男性アナウンサーの喋り方がロボットみたいになってきている。人間味を感じる発音をしていたのは、高瀬耕造氏までがギリギリだったと思う。しかし、彼も地方へ(実は大阪なのだが)行ってしまい、全国放送のニューズ番組に登用されるのはロボットみたいなアナウンサーばかりになってしまったという印象がある。瀧川剛史氏、それからアナウンサーではなく解説委員の田中正良氏(実は僕と学年が同じだったりする)をメイン・キャスターのように扱ったり、あるいは朝の報道番組で経済の解説などをやっている、藤山寛美のような鼻にかかった喋り方をする人物とか、奇妙な人選が目立つ。
そういえば NHK では一部の報道内容を自動音声で喋らせているようだ。まだ耳にする機会は少ないけれど、不気味の谷を越えるにはほど遠いという印象を受けた覚えがある。けれど、避けられない未来ではあるなと思った。アナウンサーは弁士や狂言師ではないし、フジテレビのように見てくれ優先で採用してもコストがかかるばかりだし、それで視聴率が稼げるかというと、それは実際に視聴率という数字が証明しているであろう(アイドル扱いのアナウンサーが出るニューズ番組を積極的に観るのかというと、そんなことはない)。
アナウンサーを自動音声で置き換えると、喋っている内容にアドリブがなくなるため、評価は原稿を作成している部署が直に追うこととなる。これも、実は結構なことだと思う。このところ、NHK の報道番組を観ていると、かなり酷いという印象を受けるからだ。そして、アナウンサーが誰であろうと同じような印象を受けるので、これはどう考えても局の方針としてそういう原稿を書いているとしか思えず、従って表に出てこない卑怯者を吊るし上げなくては改善されないと思う。たとえば、「~というかたち」だとか、「アンケートをいただきました」とか(アンケートを実施したのは自分たちだろう。相手からは「お返事」や「回答」をいただいたのである)、あるいは1日に1回はアナウンサーに言わせる内規でもあるのか、毎日のように必ず耳にする「浮き彫り」というキーワードを多用する語彙の貧困さはどうにかならないものなのか。