Scribble at 2025-08-06 17:47:27 Last modified: unmodified
どこかの銀行で AI をファイン・チューニングなどして、「AI CEO」を運用するらしい。社員からの相談に AI CEO が対応するというのだが、僕は AI を活用しているエンジニアとしても、あるいは企業で役職者を拝命している立場から言っても、それから一人の従業員という立場から言っても、これはナンセンスだとしか思えない。
まず第一に、個々の従業員や役職者からのメッセージを、AI であろうと人間であろうと CEO が直に対応して処置するというのは、企業組織論あるいはマネジメントの理屈から言っても、理想でもなんでもないのだ。こういう出鱈目な組織モデルを考案した人間は、末端の従業員が社長にものを言える『釣りバカ日誌』や『サラリーマン金太郎』的な企業風土が最善だと思っているのかもしれないが、あんなものは属人的なラッキーに依存している、それこそ文字通り漫画的な世界の出来事に過ぎない。もちろん、矢島金太郎のようなアノマリーと言える人物を登用することはあるが、それはどう考えても社内政治においての捨て駒や鉄砲玉としての役割しかないのである。
そして第二に、末端の従業員が直属の上長を超えて CEO に意見を述べるということは、要するに個々の部署で上司と部下の信頼関係が崩壊しているということだ。そんな状況を放置して、CEO から鶴の一声が出たくらいで企業がどうにかなるという発想があるなら、僕らのような現実に部長職を担っている人間と同じていどに、ビジネス書を読んだり組織論やマネジメントの勉強をしてもらいたい。そんなことは、AI CEO なんてものが必要だと思っているていどに大規模な企業においては、ありえない話なのである。