Scribble at 2021-01-08 10:26:14 Last modified: 2021-01-08 13:20:02
こういうのに自称愛国者を始めとする反動的な人々は噴き上がる傾向があるのだけれど、はっきり言って条約とか国の機関どうしの agreement というものに過剰な信頼を置きすぎているから、そんな牧歌的な「外交」の観念しか持てないのだ。過去の取り決めや合意を反故にして現在の国益を優先するなんてことは、相手が韓国だろうと中国だろうとフランスだろうとロシアだろうとナミビアだろうとアイルランドだろうと、どこでも起きる可能性がある。なぜなら、それをやって受ける被害の方が小さければ小さいほど、「国際社会」なんてものを無視してもリスクは大きくないからだ。現に、アメリカでも中国でも似たようなことをたくさんやっている。とりわけ日本政府との過去の取り決めを無視したと腹を立てて韓国に抗議するなら、同じ理屈から言って京都議定書を無視したアメリカにも抗議するべきだろう。
それから日本側の抗議は当然で、政府の支持率が下がるたびに過去の事実を何度でも持ち出して外国を非難するというのは、小学生の歴史でも教えてるような責任転嫁だ。そして外国というのは、韓国に限らずどこでもこういうことをする可能性があるというのがディプロマシーの常識でもある。いまでこそ、東南アジアの諸国は日本に対して韓国のようなことをやらなくなっているけれど、条件さえ変われば幾らでも同じことをやる可能性はある。住んでいる人は、ロシア人だろうと韓国人だろうとギニア人だろうと、それぞれ信頼したり愛情をもったりしてもいいけれど、政府や法人なんて、外国に限らず自国でも簡単に信用するものではないよ。
おおよそ、この手の話は〈日本が裏切られた〉という体裁で報じられることが非常に多いのだが、僕にはどうも理解しかねる。単に日本の政治家や官僚が未熟で舐められているだけにしか思えないからだ。どうして日本政府は裏切られてばかりなのか。
「坊やだからさ。」