Scribble at 2024-10-31 10:39:29 Last modified: 2024-11-02 07:34:11

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【ニューヨーク=山本貴徳】米紙ワシントン・ポストは29日、11月の大統領選でどの候補も推薦しないと発表した後、電子版の解約件数が25万件を超えたと報じた。電子版購読者の約10%に相当する。伝統的に民主党候補を推薦しており、発表後に民主党支持者から失望の声が相次いでいた。

ワシントン・ポスト、解約25万件超…大統領選推薦見送り発表で民主党支持者が失望か

僕は、正直なところ芸能人の政治的な発言には違和感があるし、報道メディアが『赤旗』のような政党の機関紙でもないのに特定の政党を支持するのも不見識だと思う。

まず何よりも、芸能人なんて大半が政治学を大学で修めたどころか高卒ですらない人が多いわけで、一般人としての生活経験なり情報から判断しているとは思えないのだから、彼らが一人の社会人として意見を言うにしても、それはどう考えても特殊な生き方をしている人々のものでしかあるまい。そんな特殊な境遇なり生活をしている人の意見をマスコミにリークしたり自分の X のアカウントで表明したところで、それは素人の「政治活動」でしかなく、したがって高校生が駅前で募金箱を持って訴えているのと同じレベルでしかないわけで、それを知名度によっていたずらに増幅するのは芸能人としてのブランドの濫用でしかないと思う。

芸能あるいは芸術や学問というものは、本来なら特定のイデオロギーや信仰などに左右されない内容なり独立した価値をもつものであるはずだというのが、人類史スケールの保守主義者としての意見だ。したがって、乱暴な言い方をすればアートや演劇や歌や漫画の技芸の価値というものは、政治や経済などと一緒に評価されるようなレベルの営みではないという自負くらいはないのかと言いたい。そういう自律した価値観や自負がなくて、「革命的プロレタリアートの演劇」とか「純粋日本人のための演歌」みたいなスケベ根性で芸能や芸術に関わってる連中のやることなんて、実際に昔から人気もなければ評価もされていない三流じゃん。なので、たとえばテイラー・スィフトが民主党の支持を表明して共和党支持者の反感を買うなんて当然だし、上記のように報道媒体が特定の政党を支持するような文書を掲載するのは望ましくないと考える人がいてもおかしくない。もちろん、それぞれには各自の思想なり意見なりがあって、表明するかどうかにかかわらず特定の政党を支持したり、特定の信仰をもっていたりすることは当たり前である。したがって、個々に公で表明しても構わないわけだが、自分が最初からもっている影響力や発言力があるという事実を無関係にできない状況で、たとえば会社の社長や芸能人などが意見や判断を表明したり発言することは、そういう影響力や権威の濫用である。

政治的な判断や意見の場合に扱いが難しいのは、これが家庭や地域や職場や公的な場で表明してよい(そして、場合によっては表明する立場にあったりする)ことであるにもかかわらず、場合によってはプライバシーにも該当するからだ。みなさんは、僕がこの度の衆議院議員選挙で比例区のどこに投票したかはご存じないはずだ。僕自身が言ったり書かない限り、誰にもわからない(投票所で監視カメラがあったら、誰かは知っているのかもしれないが)。また、僕がどういう宗旨・宗派の家の人間であるかも、親戚や家族でない限りは知らないはずである。そして、僕がこれから先に YouTuber とかになって有名人になったとしても、僕はこういうプライバシーに該当する事実について他人に表明しようとは思わない。仮に、僕が特定の政党へ投票しようと呼びかけることで何千人かが従うとしても、そういう影響力の行使は濫用だと思う。

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