Scribble at 2022-04-06 17:31:56 Last modified: 2022-04-06 17:37:18

地理の高校教科書を買って読んでいるのだが、いまいち地理学とは何なのか理解しかねる。地図や地形に関する分析とか考察のように思えるが、調査の実例として震災後の神戸市で仮設住宅がいくつ建てられたか調べたり、既存の産業や新規の産業としてどのようなものが衰退したり維持されたり発展したかを調べたりしている。そんなの、地形と関係ないだろう。そのほか、行政サービスやら文化やら人口やらエネルギー資源やらと社会科学の話題をこれでもかと詰め込んでいるが、結局はどれも地形や地質や気候とは何の関係もないか、あるいは風が吹けば桶屋が儲かる式の雑な因果関係で結びつけた、身の回りの雑事に関する調べものや社会評論をやってるだけのことにしか見えない。

たとえば、文化なら文化を取り上げてもいいが、気候とか自然災害などによる心理的な影響を記録や測定データから整理して特定の文学作品や風習や言語との関連性を考察しなければ、「地」理学とは呼べず、ただの素人臭い文芸評論や社会学だ。あるいは領土を取り上げるなら、きちんと高校生にも地政学や軍事を教えない限り、北方領土は大切だなどと青臭い原則や、仮に取り返すべきだとしても本気でそうする気概などまるでないセンチメンタルな口先右翼のスローガンを教科書でまくしたてるだけのことになる。

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