Scribble at 2008-03-01 22:45:58 Last modified: 2022-12-28 15:44:35

例えば、こんなエントリーがあります。PINGがブログに大ダメージを与える(米国から教わる本場SEO対策)サイトのコンセプトとして提案されている、もう少し経てば SEO は全く役に立たなくなるという考え方に教わる点があり、ときどき拝見しているわけですが、このエントリーには少々がっかりします。まずタイトルですが、「PINGがブログに大ダメージをもたらす」ならともかく、 「PINGがブログに大ダメージを与える」と言うのでは、見ている方は「PING攻撃なんか誰でも知ってるだろ」と突っ込みたくなります。もちろん著者の趣旨はサーバを麻痺させることではありません。記事を新規公開するだけでなく、修正してもいちいち ping を飛ばす場合があり、これではスパムと判断されかねないというわけです。さて、このブログの著者が引き合いに出している海外の記事は、上記のようでは困るので、いちど ping を送信した記事については二度と ping を送信しなくなる WordPress 用のプラグインがあるという内容です。しかし、その後の本文を読むと、 wordpressの記事を修正しただけで再度PINGが送られているのかどうか検証はしておりませんがこのようなプラグインが作られて、SEOブログで記事にされているというのですからきっと需要があるのだと思いますということなので、著者の目的はプラグインの紹介ではなく、ping の送信には落とし穴があるという指摘にあったのだと思いたくなります。しかし更に読むと、 気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか?PingOptimizerとプラグインが紹介されており、要するにこのエントリーは ping 送信の話をしているのか(これはブログツールを特定しないで指摘できることです)、WordPress のプラグインの話をしているのか(これは WordPress ユーザに向けた記事として理解できます)、どちらなのか分からなくなる。そのどちらでもよいのかもしれません。もちろん、このていどの事をとやかく言うのも無粋なことではありましょう。多くの人は、この種の「天声人語」(「産経抄」でもよい)並みに支離滅裂な論旨の文章を、中学や高校で吐き気を催すほど読まされて麻痺していますし、こういった「散文」ならぬ「散漫文」を一種の文学的な美徳の現れだと考える、哀れな国語教師もたくさんいるという不思議な国に住んでおります。今回の記事はここまでが本論でした。後は雑感です。先に言及したエントリーについては、文章としての出来だけでなく、この程度のことを言うのに、わざわざ海外のブログエントリーを翻訳する必要があるのかという感想も強いのです。なるほど著者にしてみれば、大新聞の埋め草(適当に公開しても数万アクセスは維持できる)と同じような感覚なのかもしれません。常に質の高いエントリーを要求する権利など誰にもないのですから、これはこれで( ´_ゝ`)といった程度の受け取り方でちょうどよいのかもしれませんね。しかし何というか、ブログと言えば、一時は新しいジャーナリズムだとか次世代の民主主義だとか色々と言われてきましたが、「プライベートメディア」という自意識が広まっていくと、民主主義どころかフラグメンテーションが進むだけで、ネット上のムラ社会でプチ・ヒトラーみたいなのがぼこぼこ出てくるだけのように思えますが、どうなんでしょうか。アルファブログとかいった文言が飛び交うところで行われていることって、decenterization とか分散みたいな発想とは逆に、広告代理店や一部の企業と利害関係のある連中にアクセスを集めてコントロールしようってことでしょう。つまりはウェブの動向をコントロールしやすくしておいて、マッチポンプの業界予測を吹聴することで、能なしのマーケティング屋や三流プランナーを救済しようってだけの話なんじゃないかと思うのだけれど。で、こういう論評をするときに注意しないといけないのは、表面的にはこういう批評って昔の左翼みたいな主張に見えるかもしれませんが、僕自身はそうであってはいけないと考えています。「俺にも少しくらい権力(アクセス)をよこせ」みたいな旧左翼あるいは論壇左翼の発想が思想として崩壊したり老衰を迎えたのは結構なことだし、更に団塊の世代と呼ばれた世代(の一部)が経済社会の中心から離れつつあるのもよいことです(私見では、堀江貴文のような人を暴走させた責任は、60~70年代に全共闘や全学連などの暇つぶしをしていた連中にあると考えています)。といった話はともかく、こういうイニシアチブの先取権争いを遠目に見ているような位置取りをやっておかないと、ウェブ制作の業界はすぐに巻き込まれてしまいます。どんな業界でもそうですが、先端を走るのは労力がいるので、後からやってきて資本や人員や販路にものを言わせて大きな利益やアクセスをかっさらっていくという手法は、珍しくもなんともありません。もちろんブログと言われるツールもこのような事業の一角を担う道具となって久しいわけですが、所詮はそこで書いている人をコントロールしていないと、ネットのアクセスはすぐに他へ流れてしまいます。そういうわけで、アルファブロガーだの、いま海外でやってる Webware の投票みたいなものをじゃんじゃんやって、 アクセスをコントロールしやすいところへ集中させたいというわけです。Google にしても Yahoo! にしても、所詮はアクセス数でお金を稼いでいる会社には違いないので、実際のところはアクセスを自社のサイトへ集めたいに決まっています。単にブログツールを使ってもらいたいというだけなら、Blogger の管理画面に Google のアカウントでログインする必要なんかありません。少しずつ流行りだしている OpenID の話題に通じるのかもしれませんが、便利であるということに騙されてはいけないと言いたい。便利ということは、要するに「お前らはアホでもいいんだ」という話なのかもしれない。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る