Scribble at 2024-10-31 07:12:32 Last modified: 2024-11-01 01:21:25

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Why is Google Analytics 4 the most modern data model available for digital marketing analytics? Rather than simply reporting what has happened, GA4's new cloud integrations enable more data activation, linking online and offline data across all your streams to provide end-to-end marketing data. This practical book prepares you for the future of digital marketing by demonstrating how GA4 supports these additional cloud integrations.

Learning Google Analytics: Creating Business Impact and Driving Insights (2022)

明日は月初ということで、ウェブ制作では僕がサーバの構築・運用に携わっている大阪万博関連のサイトをリリースする予定だ。他にも、弊社で自社サービスを運営する部署に Google Analytics 4 のレクチャーをすることになっていて、先週から今週にかけては資料を作っていた。

僕自身が GA4 のヘビー・ユーザというわけではないので(弊社はプライバシーマークの認定事業者として、たとえば僕が運用しているコーポレート・サイトでは Cookie や JavaScript を利用した過剰なデータ収集をしないと宣言している)、正直に言えば大して詳しくは知らなかった。そこで、まずは YouTube でマーケティング業者の解説を観た。

GA4って結局なにすればいい?3つのレベルに分けてカンタン解説!【画面操作付き】(https://www.youtube.com/watch?v=JaergXFVM68)

解説している人物は横柄な印象を受けるが、喋っている内容は明快かつ筋が通っていて良い解説だと思う。ただ、これだけだと具体的な GA4 の仕様とかコンセプトの肉付けをするには不足があるため、上記の本をざっと眺めてレクチャーの資料としてまとめてある。ただし、ネット・ベンチャーとしてはお恥ずかしいことだが、弊社のスタッフは僕を除いてウェブのコンテンツが stateless であるという基本すら理解していないので、C/S システムではリクエストとレスポンスが一対になっていて・・・という、殆ど高校の「情報I」レベルの話を織り交ぜる必要があるから、この資料はウェブ制作会社やネット・ベンチャーでは使えても、IT 企業の研修にはレベルが低すぎて使えないと思うので、ここでは公開しない(「ITパスポート」試験レベルなので、最低でも管理系部門を除く殆どの社員がコンピュータサイエンスの修士号くらいはもってるはずの IT 企業では新卒研修にすら使うのがふさわしくないレベルだろう)。

なお、本書は O'Reilly Media の出版物だが、残念ながらオライリー・ジャパンからは翻訳が出ていないので、格好をつけて洋書を読んでいるわけではない。というか英語の文献を読むのが基本になっている弊部つまり僕の業務で、「英語の文書が読める」ことはコア・コンピタンシーだ。仮に弊部に部下が入ってくるとしても、採用の条件として最低でも英検2級ていどは求めたい。それに、いまどきの高校生は偏差値60以下とかよほどの底辺校でもない限りは高校を卒業するときに英検2級ていどの力はあるというから、現在は「高卒」の標準的なスキルなのだから、なおさらだ。なんにせよ、本書は GA4 のコンセプトを ingestion, storage, modelling, activation の四つのフェイズに分解して解説しており、著者によればもっとも丁寧に時間をかけてやるべきことを考えたり作業する必要があるのは、収集したデータを格納する際のスキーマを設計する "data storage" のフェイズであるという(全体の 50% の時間を費やす)。これは、なかなか説得力のある見識だと思う。最初の ingestion はタグの定義とソースに埋め込む作業が多くの時間を要するが、はっきり言えば機械的な作業であるから、場合によっては自動化できる。そしてストレージからデータを取り出す modelling についても、特別な要件がない限りは単純なクエリなどで解決するだろう。そして、最後に BI ツールと同じくデータを visualize してビジネス判断に活用する activation についても、単純な指標でよければ既存のグラフをレポートとして扱えばいいだけだし、複雑な条件で dimension と組み合わせるとしても、さほど時間のかかることではないだろう。それらに対して、データをストアするために効率的で整合的な仕様を考えることは、後々の modelling や activation にも影響があることだし、場合によっては GA を使うビジネス目標に応じてイベントの定義などにも影響があることだから、storage が重要というわけである。

ただし、これは言ってみれば実務家やマーケティングのプロから見た場合の時間配分だと思う。僕がレクチャーする相手のような初心者(GA4 というより、そもそもオンライン・マーケティングの初心者)にとっては、最も丁寧に勉強したり事前に検討してもらいたいのは、やはりイベントの定義だ。初手を間違うと不要なデータを取得することになり、取得するデータに不足があってもやり直しはできないからだ。なので、おそらくレクチャーをした後に何か指導することがあるなら、やはりどういうイベントの定義をしてデータを取得すれば、ビジネス判断に有効な情報が手に入るかというポイントになるだろう。

あと、更に技術的なことを言えば格納先として推奨されている BigQuery のこととか、modelling で機械学習をどう活用するかという話題には触れられるが、これは予算と、はっきり言って統計学の初歩的な知識がないとぜんぜん理解も活用もできないので、そレはちょっと勘弁してもらいたい。IT 企業の社員なら言うに及ばず、ネット・ベンチャーの社員であろうと、学部レベルていどの数学は必要なら自分で勉強して欲しい。

[追記:2024-11-01] 冒頭で述べた万博関連のサイトだが、日付が変わろうとした時刻にディレクターからチャットで通知が来た。外注のデザイナーが異なる IP アドレスから作業したいので、ssh の AllowUsers に設定している IP アドレスの制限を解除してくれとのことだ。やれやれ、サイトの公開日にそんな作業をやってること自体、どんなもんだろうなと思うね。ふつう、一週間くらい前にコンテンツを用意して、当日にベーシック認証だけ解除するのが標準的な実務だと思うがね。もちろん、こういうことを書くと、もっと早くからサイトをアクセス可能にしておかないと SEO として不利だとかなんとか言う人がいるのは知ってるが、そもそもこのサイトは SEO なんて気にする必要がない名目で公開するのだ。たかが一週間ていど早くからティザーにしておく意味なんてないよ。アクセスする人というのは、別にディザーサイトを見に来るわけじゃないんだから・・・ということで、この手の案件ではありふれたことだが、サイトを公開する直前にやるべきテストをやってないとか、色々なことが分かる。もちろん、ウェブの人材にテスト技術者の資格や知見なんて求めるのは無理だが、事前のチェックシートくらいは作ることを勧めるね。

[追記(2):2024-11-01] ていうか、WordPress のデータベースに入ってるテーブルの prefix を変更してくれとか言ってきてるよ・・・サイトの公開日になんでそんなことをする必要があるんだろう(笑)。わかんねぇなぁ。とりあえず wp-config.php は kusanagi ユーザのパーミションが付いてるので、これを編集可能にするわけにはいかない(0440)から、こちらで代行して書き換えるしかない。

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