Scribble at 2021-02-11 19:17:10 Last modified: 2021-02-11 19:23:28

本日は建国記念の日である。昔から冗談半分に言われているとおり、建国記念日ではなく、建国を記念する日だ。神話から推定された日を西暦へ変換したのが本日であり、この日に我が国が成立した確かな証拠など何もないし、そもそも何をもって〈建国〉とするかは、もちろん自然現象ではないのだから人が勝手に決めることであって、しかも国によって考え方が異なるため、世界中で合意された基準にもとづいて定めているわけではない。よって、遥か昔の或るとき、先人たちが今からすれば「国」と呼べるような体制をつくって、我々がこうして国の制度による色々な成果を享受していることを記念する日として、祖先(もちろん他人の祖先も含む)の足跡を顧みることが望まれるわけである。

もちろん、その〈足跡〉には立派な行いもあれば、度し難い程の愚行もあろう。人のやってきたこと、人がいまやっていること、そして人がこれからやることには、それらのどちらもあるし、それらのあいだに含まれる評価のし難い行い(もっとも、その大半は評価などする必要もない凡庸な行いではあろう)も合わせて、人の足跡は丁寧に冷静に評価するものだ。軽はずみに褒め称えたり、あるいは非難するべきではなかろう。よって、「建国記念の日」という機会をもって、多くの人々はここぞとばかりに自分勝手な歴史を語ろうとするわけだが、そういう日であるからこそ少しは自分たちが〈知っている〉と思っている事を立ち止まって検証し直してみるくらいの度量が求められよう。

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