Scribble at 2023-12-13 11:46:11 Last modified: unmodified

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If an author publishes in a journal that dies, and the journal does not maintain a good website, how can the author prove that he published there, if they need to?

Where do Journals go to Die?

特に電子ジャーナルの場合、ホストしている出版社が倒産するとウェブサイトが維持できなくなる可能性があるため、コンテンツを別の場所に移せるとしても、その新しいウェブサイトが出版の事実をどうやって保証するのかという問題になる。論文は確かに書いてるし、それをサポートしている学会などはあるかもしれないが、「出版」の事実は事業としての成果なのだから、著者や編集者が言い張っても証明にならないからだ。おまけに、プレデターはどうでもいいとして、まともな内容の雑誌であったとしても、最近は特定分野の学会とは関係なしに続々と電子ジャーナルが発行されているため、そういう場合は学会が後ろ盾となって論文を書いて業績として認めたという事実を保証する主体が全くないということになる。

もとより、学術雑誌とは言ってもしょせんはエロ漫画の同人誌と根本的に何が違うのかと言えば、違いはない。法的にも、社会学的にも、The British Journal for the Philosophy of Science がどれほどコミケでバラ撒かれているエロ同人誌より「格調の高い」ものであろうと、本質的には特定の集団において一定の基準でコンテンツを掲載する媒体であるという事実に違いはない。あたりまえだが、BJPS に論文が掲載されたからといって「科学哲学者の専門家」として客観的な身分が保証されるわけでもなければ、何かの資格が手に入るわけでもない。ましてや哲学者として有能である証拠になどなるわけもない。

こんなことは、社会学や文化人類学などの学部レベルの勉強をすれば誰でも理解できることだろう。われわれは、そういうコミュニティの中で通用したり共有されている基準を維持しながら、自分たちで「業績」として認めたものを積み上げてゆき、そしてそのうえで他のコミュニティなり「社会」に対して、自分たちのやっていることの意義なり価値を示す他にないわけである。そういうことが不要なら、それこそ近所の俳句好きがお金を出し合って句集を自費出版しているのと何ら変わらないし、そういうものよりも権威や価値があるなどと言い張る根拠はない。

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