Scribble at 2022-06-27 14:57:28 Last modified: 2022-07-01 13:19:41

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Premiere Pro CC 2022 を使っていると、After Effects とは出自の違うアプリケーションとしての事情はあると思うが、今でも Adobe 製品とは異なる色々なアプリケーションがプロ・ユースに使われていることでも分かるように、Premiere Pro はソフトウェアとして洗練されていない印象が強い。僕は Premiere Pro と、それから Adobe Encore というディスク・メディア用のオーサリング・ツールとを2005年頃から使っていた(Encore は既に開発終了)ので、Premiere Pro での動画編集は17年くらいの(断続的な)キャリアを持っているが、正直なところ2005年頃に使っていた操作性と比べて殆ど向上していない。昔のレベルで高度に完成されていたという意味ではなく、ぜんぜん洗練も改善もされていないのだ。

その最も簡単な例は、オーディオ・ファイルをビンに読み込んでからクリップとしてタイムラインへ組み入れるという基本的な操作はいいとしても、このオーディオ・クリップを或る時点から或る時点までループして再生し続けるなんて簡単なことすら、いまだにできない。もちろん、オーディオ・クリップがもともとループしている楽曲であるかどうかを Premiere Pro が気にしなくてもよいわけで、そういう音源を用意するのはユーザの責任でやればいいわけである。よって、ループしていない音源だと曲の最後で曲の最初へ急に入れ替わるという不自然さがあるのは当然だから、そこをディゾルブのようなエフェクトで調整するのは、後からユーザがやればいい。ともかく、そうやって編集したクリップを単にタイムライン上の或るキーフレームまでループすればいいだけなのだが、そういうことすらできない。

よって、調べてみると国や言語の区別なく、色々なサイトで "How do I loop an audio track for video background music without copy/pasting the audio file in many times on Premiere Pro?" といったタイトルのスレッドがフォーラムにあったり、同じような問いをタイトルにした(その多くはロクでもない)ブログ記事やデザイン関連のページが無数に作られることになる。

Premiere Pro でサウンド・ファイルのクリップをループ再生するには、クリップをコピペするほかに方法はない。After Effects にはスクリプトでループさせるプラグインが出ているが、Premiere Pro にそういうものはない。よって、クリップを繰り返してコピペする他にないのだ。ただし、それをやるにもコツはある。それは、クリップを「ネスト」することである。クリップを右クリックすると「ネスト」の項目があるため、これをクリックして有効にすると、ネスト専用のタイムラインが操作できるようになって、クリップの「子クリップ」を配置できるようになる。これを使って大量のコピーを並べておき、元のタイムラインに戻ってからポインタを操作すると、ネストで繰り返した長さいっぱいまでクリップを右方向へドラッグして延長し、ネストしているクリップ全体を一つのクリップのように扱える。

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