Scribble at 2024-05-08 15:20:19 Last modified: 2024-05-08 15:35:58

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帝国データバンクは、タレントらのマネジメントなどを行う芸能プロダクションの2023年の倒産が、前年比で3倍にあたる12件になったと発表した。過去5年間では最多となった。要因として、新型コロナウイルス禍の影響のほか、ユーチューバーなどとして活躍する個人が増えるなど、プロダクションの強みが生かしにくくなっていると分析した。

芸能プロ倒産、前年比3倍の12件 ユーチューバー台頭、タレントへの影響力低下が背景か

それだけじゃないだろう。芸能プロダクションに所属してるタレントというのは、映画やテレビにだけ使われてるわけじゃなくて、企業や商品ブランドのいわゆる「イメージ・ガール」とか、自治体などのイベントで集約したり周知のためにタレントを「広報大使」にしたりといった細かいところでも売ってる。そして、それがどんどん生成 AI に置き換わっていってるのが現実だ。

いっとき、地方自治体のポスターやパンフレットや企画書の類に使われるイラストが殆ど「いらすとや」になってしまったという話題があって、イラストレーターの仕事がなくなるのどうのと騒いでいたわけだけど、もう生成 AI が使われるようになり、そして普及し始めた2年前の夏頃から半年くらいだけ、「プロンプト・エンジニア」なんてのが流行の職業みたいに言われてたけど、もうそんなの過去の話だ。既に誰でも普通の文章を入力するだけで、そこそこまともな画像が出力されるようになったので、そんなエンジニアですら必要なくなってきているからだ(それに、もともと自然言語処理は、そんなエンジニアを不要にする技術でもある)。

この傾向は、いまでこそ動画の出力では画期的な品質の向上がなくて足踏みしているけれど、たぶん数年もしないうちに5分や10分ていどのストーリー性のある動画を生成する技術が出てくると思う。こうなると、次は動画に出演していたタレントどころではなく、弊社にも毎日のように営業メールを送ってきてる、動画編集業者も続々と倒産することになる。

或る意味では、これは動画編集とかイラストレータとか、労働集約型の事業として若者のやりがい搾取の典型だったビジネスが破綻するのだから、社会正義にかなっているようにも思えるわけだけど、さてそういうウェブ制作会社や動画編集会社やデザイン会社にすら就職できなくなった、二束三文の専門学校しか出てない若者は、どうやって食っていくんだろうということにもなる。だからといって、彼らがこれまた偏差値60くらいの大学を出たところで、レッド・オーシャンに突入していくだけだ。必ず落伍者は出てくるわけで、受け皿は必要だ。

いっとき、ベーシック・インカムなんてのが話題になったけれど、もう誰も「ベ」の字も言わなくなった。幾つかの地域で実験があったようだが、その成果もはっきりしない。しかし、他に何か仕事を捏造して公金を浪費する余裕なんてないので、ことは深刻だ。放っておけば、闇バイトとかで見ず知らずの人をどんどん殺すような手合が、どれほどインチキな伝統を語っていようと、「純粋日本人」様の中にも増えてくるであろう。

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