Scribble at 2025-10-31 13:06:00 Last modified: 2025-10-31 13:08:46
Apple Watch の文字盤には、およそ視認性という時計の基本的な要求事項を尊重しているとは思えないデザインの駄作も多いと書いた。もう一つだけ実例をご紹介しておくと、上の「Nike コンパクト」という文字盤の「アナログII」というパターンで表示されるアナログ時計も、正当な趣旨の分からないデザインだと言える。
ご覧のように、短針と長針が作る鋭角あるいは鈍角に着色しているのだが、こんなことをされると実は逆に時刻が見た目で直感的に分かり辛くなるのだ。長針や短針によって時刻を知るとき、まず僕らは「どちらが短針なのか」を判別することで、まず何時何分の「何時」を知る。だが、上のような表示だと両方の針が明るい色の背景色に埋もれてしまって、どちらが短針なのかを判別するのが難しくなってしまう。したがって、自動的に長針の判別も時間がかかってしまい、全体として何時何分なのかを即座に視認できないというわけである。上の画像のような事例だと、「13時43分」なのか、「8時7分」なのか即座に判別できない。
もちろん、いま朝なのか午後なのかは誰でも自覚して生活しているだろうから、朝と午後とを間違えることはあるまい。したがって、いまが午後だというていどの自覚があれば、これは午後の時刻を指しているように見えるのだが、それにしても分かりにくいのは確かだ。
そもそも、装飾用の時計にはよくあるデザインだが、インデックスのまったくない文字盤なんて、朝・昼・晩くらいの区別だけで生きている貴族や大金持ちになれば気にしなくてもいいだろうが、たいていの人々にとっては時計の役に立っていない欠陥デザインでしかない。Apple Watch は他にもインデックスのない文字盤が何通りかあるけれど、時計にインデックスのいらない金持ちは Apple Watch など身に付けないだろう。というか、本当の金持ちは腕時計なんてつけるはずがない。心拍数や睡眠時間が気になるなら、執事かメイドが教えてくれたり計ってくれるはずだし、そもそも時刻すら周りに付き従う者が教えてくれるだろう。