Scribble at 2025-04-17 13:18:37 Last modified: unmodified
Internet Archive はご存知の方が多いと思うし、とりわけ当サイトにアクセスするような人にとってはリンクを紹介するまでもないと思う。僕も、当サイトのアーカイブを依頼している立場でもあるし、コンテンツを利用しているユーザの一人でもあるが、アクセスするたびに膨大な量のコンテンツに圧倒される。いっときと比べて、無料で読める本は無くなっているが、それでも非常にたくさんの資料は利用できるから、出版社などとの係争中でもあるが、利用できるコンテンツは利用すればいい。正直、50年前のレコードの権利なんて持ってて何をどれだけ稼げるとか稼ぎたいなんて思ってるのか、著作権という制度そのものに理解はあっても、その保護期間については強い違和感を持っている僕としては理解しかねるところがある(著作権なんて、せいぜい作者が生きているあいだ保護するか、Creative Commons のようにソースを明記する義務をつけて20年程度で失効してもいいと思う)。
なお、「アーカイブ」と「バックアップ」は違う概念であり、Internet Archive はコンテンツをバックアップしているわけではない。なので、自分のサイトやブログを「バックアップ」してもらうつもりでクローラにコンテンツを引っ張り上げてもらうよう申請するというのは、筋違いである。これらの概念には幾つか違いがあって、まずアーカイブはオリジナルのコンテンツをウェブから消失していたりするが、バックアップは現状で使っているデータのコピーである。よって、僕らが仕事で使っている Excel シートや InDesign のファイルを Dropbox に「バックアップ」していても、元のソースとなるデータはあるし、それを僕らは使い続けるのが原則だ。そして次に、バックアップの対象を決めるのはソースを運用している側だが、バックアップの対象を決めるのはアーカイブする側である。よって、Internet Archive の申請フォームで自分のブログを「バックアップ」してもらおうとしても、実際にクローラがコンテンツを引っ張り上げるかどうかの保証はない。それは Internet Archive が決めることであって、申請する側が任意にやるやらないを自分で決めたり要求する権利はないのである。これに対して、バックアップは元になるデータを持つ側が何をバックアップするか決めるのであり、このフォルダを Dropbox に同期しようと決めるのは、Dropbox 側ではなく利用者側である。もしも僕らがバックアップの対象として指定したフォルダを Dropbox 側が任意に拒否したりすれば、それは端的に言ってクラウド・ストレージ事業者としての履行義務違反である。
ただ、どちらにしても他人に委ねるのであるから、やはり Internet Archive であれ、クラウド・ストレージの事業者であれ、先方の都合でサービスが終わってしまう可能性はある。したがって、こういうプロジェクトやサービス事業者に預けていれば安泰・安心であるなどということはないのである。そして、プロジェクトやサービスの運営主体に財務的あるいは法的なリスクがないとしても、やはりこの手のサービスには情報セキュリティ上のリスクが常についてまわる。それは、外部からの DDoS 攻撃だったりするし、あるいは先日の AWS が起きた障害のように、事業者内部の問題で事故が起きることもある。