Scribble at 2023-10-06 18:46:14 Last modified: 2023-10-07 07:40:11

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ウクライナを侵略中のロシアを訪問した日本維新の会の鈴木宗男参院議員が6日、馬場伸幸代表らと面会後、記者団の取材に応じ、「ロシアが勝つと思っている」などと発言した。鈴木氏は中国やインドなどが仲介役となって「国の線引き」などを話し合い、「早く停戦に持ち込むべきだ」とも語った。鈴木氏は党に無断で訪露しており、維新は除名処分とする方向だ。

「ロシアが勝つと思っている」 鈴木宗男氏発言詳報

公式サイトを見ると、要するに「日露平和条約締結と北方領土問題解決」が狙いなんだろうけど、そもそもロシアはこれのどちらも望んでないと思うんだよね。積極的に戦争するつもりはないかもしれないけど、もとは明治以来の仮想敵国なわけで、第二次大戦後の処理では北海道を占領するつもりだったかもしれないと言われているくらいだ。いま現に領土として扱っている北方領土を返還なんてするわけないんだから、ロシアが公式見解として「北方領土問題なんて存在しない。ロシアの領土を返せとか日本が勝手に言ってるだけだ」という理屈にしかならない。そしてそのうち、北方領土で生まれ育った日本人が全て死んで、北方領土で生まれ育ったロシア人しかいなくなったら、国際法的にはともかく民俗学的・社会学的には誰の「故郷」なのかという話になるだろう。

つまり、この人物も55年体制の社会党と同じで、できもしないことが分かっている課題を掲げ続けて、「努力し続けている」というポーズを延々と取り続けて支持を集めようとしてるだけの三文芝居の役者ということだ。北海道の人の心情として分からなくもないが、国益という観点で言えば、わざわざ税金を使って国会議員として働かせる値打ちはないと思うね。

こういう、ナショナリズムを食い物にしてる連中というのは、表面的には同情を集めやすいのでたちが悪い。そもそも僕は「保守」としてナショナリズムなんて全く信じていないから、こういうことに熱心な人達というのは新興宗教の信者と同じだと思っている。簡単な話、国とか地域とか、いや自分たちが住んでる町内とかマンション1棟というスケールですら、本当に全ての住人を知ってたり、それどころか信頼なんてしてる人は誰一人いないだろうし、そんなことできないだろうと思う。つまりナショナリズムなんてのは単なる妄想であって、その正しさを実証なんてできないのである。毎日のように凶悪犯罪を起こしているのは、この連中が尊ぶ「純粋日本人」さまだ。人殺し、詐欺、背任、強姦、恐喝などなど、夥しい件数の犯罪を起こしているのは、在日外国人や移民ではなく、日本で生まれ育った人々だ。ひょっとすると、実家に桓武天皇くらいまで遡るような家系図すらもってるような手合である。

しかし、それでも僕らはここに住んでいて、それなりに多くの人を信頼したり、あるいは行政サービスの質にも信頼を置いて生活している。在日朝鮮人や移民のブラジル人は、場合によっては警察官から差別的な扱いを受けるかもしれないが、アメリカみたいに少し動いたくらいで撃ち殺されたりはしない。アメリカのように、子供を日曜礼拝に一人で通わせたら神父にレイプされるかもしれないと心配しなくてはいけないようなカソリックの教会は日本にないだろう。そのていどには、日本はマシなところが多くある。そして、そういう実情を僕ら国民で支えているという点には一定の自負を持って良いのだろう。でも、そのていどの事実だけで、日本というところが他の国を軽んじて良いような、どういう意味でかは知らないが国同士や地域同士での優劣を語れるようなスケールがあると思い込んでいいという理由にはならない。

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