Scribble at 2026-06-07 07:14:03 Last modified: unmodified

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Visual Studio Code (VSCode) から Zed に乗り換えて、ひとまず乗り換えはつつがなく終わって VSCode を3か月くらいは起動しなくなった。このまま夏を過ぎた頃まで問題なければ、VSCode をアンインストールするだろう。この10年くらいにわたって、テキスト・エディタを色々と乗り換えて使ってきたのだが、これからも続くのだろうか。そう思えば、10年以上に渡って xyzzy が使えたのは幸いだった。

おおまかに僕の遍歴を説明すると、初めて一定の期間をメインのテキスト・エディタとして(つまりテキスト・ファイルの作業環境として)自覚して使ったソフトウェアは、NoteTab Light だったと思う。これは、実は無料の Light、そして有料の Standard と Pro のうち、後から Standard のライセンス料金を払ったのだけど、Standard と Pro は処理速度を優先して開発されていたからか、variable font を UI に設定できず、その理由だけで Standard のライセンス料金を数千円ほど払ったにもかかわらず Light 版を使い続けていた。これを2000年代の初頭に使っていて、プロジェクト・パネル(あるいはアウトライン・パネルなどと言う)のツリー表示が便利であることを実感した。もちろん、その頃から既に Windows でのファイル操作はエクスプローラではなく「だいなファイラー」を使っていたから、そのテキストによるツリー表示の UI がテキスト・エディタにも反映されるのは快適である。

そして、TeraPad や Sakura エディタや HIDEMARU3000YEN なども使ってみたものの、2003年くらいから xyzzy を使い始めたと思う。これは、前職の会社に入った頃であり、デザイナーとしてだけでなく、正式にウェブ・アプリケーションのプログラマやサーバ・エンジニアとしての職能を身に着けていった時期であった。それからは、おそらく10年以上に渡って xyzzy を使ってきた。もちろん2005年に出版された『入門xyzzy』(山本, 日江, 稲原, 佐野、オーム社、2005)も買って読んでいたし、わざわざ menu.lc を改変してメニューを英語版にしたものを使っていた。

だが、作業環境が Windows 10 のマシンになった頃だから2015年くらい、もう10年以上も前のことだったが、新しい OS にしたらアプリケーションとして即座に追加するのが、xyzzy, TeraTerm Pro, だいなファイラー, KeePass Password Safe, Orchis くらいなのだが、xyzzy はメニューを開こうとするとクラッシュしたり、そもそも xyzzycli.exe が起動しなくなったりと、かなり動作に問題が出てくるようになって、残念ながら仕事どころかプライベートでファイルを操作するのも難しくなってしまった。もちろん、当時も細々とメンテナンスは SourceForge あたりで続いていたと思うが、その SourceForge が中国企業に買収されたのをきっかけに(ネトウヨはもちろん)大量の開発者が GitHub などへ移ってしまい、その頃にメンテナンスも停止してしまったと記憶している。なので、その頃には広く知られるようになっていた Atom に乗り換えるのも自然なことだったと思う。

ただ、Atom には幾つかの問題があった。たとえば日本語の文字列を表示するときの禁則処理が出鱈目だったり、そもそもワードラップしないというバグも長く放置されていたし、有名になっていったのとともに機能をどんどん追加して、いまの VSCode のように鈍重なツールへと変貌してしまったわけである。なので、一時的に Adobe が出していた Brackets というテキスト・エディタを使ってみたりしていたのだけれど、ご承知のとおり5年くらいで Brackets も Atom も開発が止まってしまい、みんな VSCode へ移るという妙なことになってしまった。もちろん、気の毒だが Eclipse なんて大半の人々の眼中にない。しかし、実質的には IDE と言ってもいいような環境に移行する人が増えていったわけである。僕も、とりわけ無料で使えるテキスト・エディタとしては他に適当な選択肢がなかったので、VSCode を使っていたわけである。

そもそも、2010年代にリリースされていたこれらのテキスト・エディタは Electron というデスクトップ・アプリケーションのフレームワークをどれもこれも採用していて、使っていた方は実感があると思うが、さほど使い勝手に大差はなかったのである(だから日本語文字列の扱いが不十分だという似たようなバグも共通だった)。そうであれば、デファクト・スタンダートに収斂させるのが経済合理性というものであろうから、VSCode をみんな使い始めたことについて Atom や Brackets の元ユーザが「M$ への隷属」などと冷笑する資格などないわけである。M$ でなくても、フレームワークへの隷属という点では同じだからだ。私企業への隷属を笑っても一つのアーキテクチャへの隷属は構わないという態度は、ソフトウェア・エンジニアリングを学部レベルですら理解していない証拠であり、はっきり言ってエンジニアとしては三流である。

ということで、ここしばらく(ちょうどコロナ禍のあいだか)は VSCode を使っていたのだけれど、昨年あたりから Hacker News で話題を見かけていた Zed というエディタに少しずつ興味はもち始めていた。なにせ、Atom の元開発チームが手掛けているのであるから、少なくともテキスト・エディタの開発については素人でないのは明らかである。こういうアプリケーションで困るのが、見た目は派手で色々な機能を搭載しているエディタだが、開発者が Electron 上で遊ぶていどのスキルや経験しかなかったというパターンで、要するに専門学校生の課題制作と言っていいようなレベルの代物を GitHub などで公開してしまう連中がいたりするのだ。それに比べて、Zed の開発チームはテキスト・エディタの開発について、とりわけ Electron のようなお仕着せの環境だけで開発するときの利点だけでなく制約についても分かっているわけだから、それなりの反省を経ていると期待できる。そして、試しに使ってみると軽快な動作で良好だ・・・というわけで Zed を今年に入って("1.0" になったというタイミングで)使い始めたというわけである。

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