2018年09月18日に初出の投稿

Last modified: 2018-09-18

In this book the use of ``program'' is focused on the creation, execution, and study of programs written in a dialect of Lisp for execution on a digital computer.

Foreword

最初に訳した和田さん(僕は、彼がアイデアを作った Happy Hacking Keyboard の愛用者だ)の文章は次のとおりだ。

「本書では『プログラム』の利用は, 電子計算機の実行に使うLispの一方言で書いたプログラムの創作, 実行と研究を対象とする. 」(https://sicp.iijlab.net/fulltext/xfore.html)

上記と同じ個所を訳している別の文章があって、その中では以下のとおりとなっている。

「この本の中では、『プログラム』の使用は、プログラムの作成、実行、学習に焦点が当てられている」(https://sites.google.com/site/longlonggamma/sicp/0-1)

しかし、残念ながら両方の文章に違和感を覚える。特に "the use of" の訳し方が不自然だと思うので、少し考えてみた。ここで「プログラム」の "the use" とは何であろうか。冒頭から筆者が丁寧に述べているように、「プログラム」とは "FooBar" 問題を解くプログラムとか、日本で販売される商品の現時点での税込み価格を計算するプログラムのことではない。もともと「プログラム」が何のためのプログラムなのか特定されないものだからこそ、「この本で『プログラム』と言えば」と断り書きを付け足す必要があり、しかもそれは LISP の一つの方言で書いているにすぎないと言わなくてはいけなかったのである。

「この本で『プログラム』と言えば、電子計算機で実行する LISP の一つの方言で書き下して作り出され、実行され、それから研究されるものという意味だけに留めておく。」

つまり、上記の二つの訳文では、まず和田さんの訳文だと主部が「プログラムを利用する」という全く間違った意味になってしまっており(更に、単純に主部と述部を直に繋げると「利用を対象とする」という不可思議な日本文になる)、二つめの訳文では「プログラム」という言葉の使用という意味合いに取れなくも無いが(そういう意味合いなら何とか脈絡は合う)、やはり訳者が脈絡を正しく理解してそう訳しているかどうか疑わしい。

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