Scribble at 2024-02-05 18:37:38 Last modified: 2024-02-05 20:55:31

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『TOEFL TEST上級英単語2500』(東進ブックス、ナガセ、2016)

「英単語集はいらない、英和辞典を丸ごと覚えたらいい」なんて落書きをフレーズだけ見かける人からすれば、もっと難しい単語がいっぱいあるのに何を言ってるんだという印象を与えかねない。それに、そういうことを言ってる人は英単語集を使ったこともなくて、ただお金が勿体ないから負け惜しみでデタラメなことを言ってるだけなんだろうとか思われかねないんだよね。確かに、英単語集は大学院を出るまで使ったことはなかったけれど、それは僕の事情にすぎないのだから、一般論として英単語集が不要だと言う理由にはならない。その事情にしたところで、別に僕が英語について有能だから英単語集が不要だったというわけでもない(実際、神戸大学の博士課程に進んだときの試験は、ドイツ語の方が点数は良かった)。

ということなので、僕は英単語集を不要だと言ってはいるが、それは自分で使ってきた上で言っているのだ。そして、その中でもお勧めできるものがあって、たとえば上に御紹介している『TOEFL TEST上級英単語2500』は、英単語集を使って学ぼうという人にはお勧めできる。ただし、繰り返しておくが、この本に出ている「上級英単語」であろうと、その殆どが中高生向けの『ニュースクール英和辞典』にだって掲載してあるのだ。つまり、どれほど上級だなんだと言っていても、場合によっては学習用の英和辞典を使い尽くした高校生にすら及ばないのだ。しょせん、お勉強で身につく語彙なんてそんなものなのであるという節度を弁えておくべきである。こういう「難しい」とされている英単語集をマスターしたくらいでは、アメリカのアイビーリーグにすら入れない平均的な大学生がもつ語彙くらいにしかなっていないのだ。

ただ、この『TOEFL TEST上級英単語2500』は単語の選択がほどほどに難しくてやり甲斐があるのは確かだ。相当な割合で、僕が見たこともなかった単語がある。但し、アマゾンのカスタマー・レビューでも話題になっているけれど、この本はかなり誤植が多い。発売された後にすぐ正誤表が追加されたのだが、それでも "auction" が "action" のままだったり(p.23、"retailate" の例文)、まだ他にも誤植がある。利用するには殆ど支障はないのだけれど、支障がないくらいの使い方ができるレベルの英語力がないといけないという、別の意味で読者を選ぶような本になってしまっている。

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