Scribble at 2025-03-18 11:10:11 Last modified: 2025-03-18 11:27:32

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The long-tail is completely dependent on open-source implementations and shared code. If you want to build a new mobile app tomorrow, you obviously should not start by building an HTTP parser.

The hyperscale ecosystem isn't worried about access to open-source implementations at all. They have sufficient engineering resources and complicated use cases that building their own custom implementation of a protocol from scratch can make perfect sense. Google.com is not going to be served by an Apache module with default settings, and Instagram is not sending requests with the same HTTP library as a Hello-World app.

HTTP/3 is everywhere but nowhere

HTTP/3 の普及について述べている文書なんだけど、指摘されているポイントの中で上の対比が少し気になる。要するに、GAFAM のようなプレイヤーは十分な人的・技術的・資金的なリソースがあるので、社内で専用のハードウェアを開発すらできるし、オープン・ソースのツールを自社の都合で開発することもできる。これに対してスタート・アップや小規模なプレイヤーは、専用のハードウェアを製造するなんて資金も時間も技術もないし、かといってオープン・ソースのツールを使うとは言っても、それらは GAFAM の都合で開発されているものなので、自社の都合に最適だとは限らず、必要に応じてやはり自力でツールを作らないといけないんだよね。

つまり、オープン・ソースのツールを普及させるというのは、傍目から見れば「良いこと」をしているように見えるんだけど、実際にはそんな単純な平等主義を実現するわけではなく、逆にオープン・ソースのツールを普及させるという戦略によって GAFAM は参入障壁を作っている可能性があるということだ。敢えて言えば、自主開発するリスクを犯すか、それとも GAFAM の都合でリリースされている「オープンな」ツールに依存するかの選択を迫られるということである。そして、自主開発するとコストがかかるのはもちろん、たいていは性能として十分ではないから、それらもオープン・ソースにするような会社も出てくるわけだけど、そうすると参加する社外の人間がもともとの意図とは違う方向へ開発を進めるかもしれないというリスクが起きる。

僕がむかしからそういう一部のベンダーに依存する開発体制のツール、たとえば TypeScript とかを、たとえオープン・ソースであろうと積極的に学ばず、あるいは仕事で採用してこなかったのは、そういう胡散臭さがあるからだ。本当のところ、HTML や CSS や JavaScript にしたって、かろうじて複数の事業者で牽制関係があるからマシだと思って採用しているにすぎないのであって、W3C らの勧告文書が最善の規格だなんて思っていない。そして実際にそれらは特定のベンダーにしがみついてる「出入り業者」みたいな連中が解説本を書いたり、技術者コミュニティを牛耳っていたりするし、果ては資格試験まで始めたりする。そういう、インチキなエコシステムやデタラメな「オープン・ソース」に取り込まれないようにすることが、本来は RMS らの言っている「フリー」という言葉の意味なんだよね。僕は保守の人間だけど、ストールマンみたいな人物は嫌いじゃない。むしろアメリカの西海岸に多い、リベラルの顔をした差別主義者どもや、リバタリアンと称する経済貴族主義者の方が唾棄すべき連中だと思うんだよ。

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