Scribble at 2023-08-20 18:58:54 Last modified: 2023-08-22 14:37:15

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「悪いことをしていないなら隠す必要はない」という考えはプライバシー問題においては間違いだという指摘

GIGAZINE を始めとする、横のものを縦にして「メディア」と称している人々の仕事というのは(必ずしも「インチキ」だと非難したいわけではない。日本の哲学教員なんて9割方は彼らと同じことをやってる)、ときとしてネタがなくなると、上のように15年も前の論文を持ち出してきて、新しいお得情報みたいに紹介する。既に海外の公法関連の法哲学や法と経済学、それから法社会学の分野では、ソローやニッセンバウムの仕事はスタンダードな成果として教科書に盛り込まれているほどであって、こういうサイトで「最新情報」であるかのように嬉しがって展開しているのは東アジアの文化的辺境国家だけというわけである。

とは言え、それは英語を読み書きできない集団の話であって、いまや高校を卒業するときには英検2級ていどを取得している偏差値70以上の進学校の諸君にとっては別の宇宙の話であろう。そして、それでよいのだ。無能は放っておいて、有能な諸君はどんどん業績を上げるべきである。ただし、凡人も含めてこその実社会なのであるから、偏差値70もない人々をバカにしてはいけない(僕も、確か高校を卒業するときは偏差値56くらいしかなかった。東京で働いて、大学へ行こうとして大阪へ戻ってから半年ほど受験勉強して、やっと偏差値64くらいに引き上げて、入学金を免除してもらえるような成績で合格できる大学に入った。本命は最初から関大か京大の大学院だったので、学部時代を過ごす大学なんて偏差値はいくらでも良かったのだ)。彼らの多くも、色々な職業に就いてインフラや産業を支えたり、あるいは働いていなくても生活保護を受けながら消費者として経済や国家財政に参画しているし、寝たきりや障害があって動けなくても彼らがいることによって何らかの意味があると考える人々もいよう。結局、しょーもない暗記小僧の東大卒が官僚になっても碌なことができないのは、われわれ凡人の価値を分かっておらず、せいぜいパターナリズムやお情けという観点からの「効用」を計算することしかできないからなのである。

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