Scribble at 2021-12-30 16:02:03 Last modified: 2021-12-31 11:38:30

Raspberry Pi Zero W は、Kali Linux のイメージをダウンロードして再び幾つか新しいページを参考にチャレンジしてみたが、やはり Raspberry Pi 4 とか別の機器での作業を真似てもだめらしい。いまのところ、FreeBSD と Kali Linux を使ってみたいという要望はあったのだが、

・FreeBSD：そもそも FreeBSD 財団が Raspberry Pi Zero W に搭載されている Wi-Fi のドライバをサポートする気がないので、自分でドライバを書くのでなければ永久に無理。

・Kali Linux：Arm 用の（それどころか Raspberry Pi Zero W 対応の）OS イメージはリリースされているが、根本的に情報不足。オンラインで見つかるインストール手順は "headless" でないか、あるいは "headless" を（アメリカ人のくせに）「モニター要らず」の意味に誤解しているデタラメな解説ばかりで役に立たない。

・Debian：純正の Debian もイメージ・ファイルを公開しているが、これは SD カードに書き込んでも起動すらしない。ドキュメントによると "binary blob"（クローズドなソースのソフトウェアを罵倒する言い方）がファームウェアとして必要であり、それなしには起動しないという。つまり、イメージ・ファイルを公開しているが、それでは起動しないという。しかも、そのファームウェアを分別して（ライセンスが違うので）公開しているというリポジトリにあるのは、そもそも Debian を起動しないと動かない .deb 形式のパッケージだ。これは何かの悪い冗談なのだろう。まともな人間は、こんな手の込んだ批判に付き合う必要はない。

ということなので、もう Raspberry Pi 財団が正式にサポートしている Ubuntu くらいしか他に選択肢がなさそうだ・・・と思ったら、なんだ Ubuntu って Raspberry Pi 2 以降の基盤にしか入らないので、RPi 1 系統の Raspberry Pi Zero W は未対応じゃないか・・・他に、組み込み系だという Apertis という Debian 系の OS もあるようだが、正直なところ Wikipedia にエントリーすらない OS だから、これに慣れることのメリットが分からない。

そういうわけで、もう Raspberry Pi Zero W にバッド・ノウハウなしで入れて使えるのは純正の Raspberry Pi OS Lite くらいしかないということのようである。もうこんなことの調査や試行で時間を浪費するのはたくさんだ。試行錯誤そのものが目的ならともかく、僕がやりたいのは入りもしないしまともにサポートもされていない OS をあれこれと入れることではなく、Rust や C や Forth が動くリーズナブルな環境を手に入れることだ。黙って純正の OS を入れよう。

ちなみにだが、なんでいちいち "Raspberry Pi Zero W" とフル・ネームで必ず書くのかというと、リソースを物色していて少し頭にくるのが、このモデルを "Pi 0 w" などとタイプして得々としている人がいるからだ。こういうのに限って、アメリカやインドに同じような雑誌があるのかどうか知らないが、『ハッカーJAPAN』とかを読んで「マイクロソフト」を "M$" と表記するのがカッコいいなどという自意識でコンピュータを扱っているガキみたいな連中で、たいていは役に立たないウェブ・ページやブログ記事を書いていたりするものだ。

・・・というわけで Bullseye（Debian）ベースの Raspberry Pi OS Lite を SD カードに入れてみたのだが、さて今度は純正の OS でもネットワークが正しく起動しないという問題が発生しているらしい。これでは headless も何もあったものではないな。およそ犯罪には使えない代物だ（犯罪に使えないレベルの OS なんて勉強してもしょうがないんだよね、プロの開発者やセキュリティの実務家としては）。このようなわけで、せっかく新しい SD カードや MacBook Air に接続する USB Type-C のアダプタも買ったのだが、最初から動いていた Raspberry Pi Zero W を引っ張り出して Bullseye にアップグレードしたものだけが、まともに動く状況だ。もうこのままでいこう。