Scribble at 2026-07-08 08:24:08 Last modified: unmodified
画像生成 AI、と呼んできたけれど、昨今はマルチ・モーダルなモデルもあるから、別に画像の生成だけに特化したモデルだけを想定しなくてもいいので、今後は単に「生成 AI」と表記しよう。ともかく、生成 AI で作った画像を公開するサイトとしては、もちろん自分の個人サイトやブログに始まって、ソーシャル・メディアや CGM サービスなど色々なところがある。中でも CGM では世界規模で Civitai.com (Civitai.red) や Seaart や PixAI や TensorArt など、色々なサービスがあって、いちおうデファクト・スタンダードは Civitai になるのだろう。実際、Civitai は競合の中でもアンドリーセン&ホロウィッツというアメリカのベンチャー・キャピタルから投資を受けているほどであり、数か月前には決済会社の与信基準を満たすためという名目でアダルト・コンテンツを別のドメインに分割するような措置をやっている(ただしフロント・エンドでコンテンツを振り分けているにすぎず、データベースは共通だから、違法なコンテンツがあれば結局は同じことだと思うが)。これはつまり、他のサービスにも言えることだが、生成 AI の画像を投稿するサービスは事実上のアダルト・サイトだということである。事実、これらのどれでもいいからアクセスしてみればすぐに分かる。とにかく夥しい数のお下劣というか、変態どころか異常としか思えないような画像が山ほど投稿されている。もちろん、こんなことをしているのは世界中の男であるから、女性はこういうサイトにアクセスしないようお勧めする。というか、男性ですら不愉快になるほど劣悪でどうしようもない画像が多くて、アクセスする価値は殆どないと思う。
実際、参考にする画像が殆どなかった3年くらい前には僕も Civitai へアクセスしていたことがあるけれど、数か月で必要なくなった。理由は簡単だ。
・既に3年前の時点で、商業グラフィックスの制作で参考になるような画像を探し出すのに無駄な時間がかかりすぎるほど、大半の投稿画像が(エロであれなかれ)どうしようもないゴミであった。
・参考になりそうな見栄えの画像に限って、プロンプトが非表示に設定されていたり、ローカルまたは別のサービスで生成した画像の再投稿、あるいはローカル環境で Photoshop などでレタッチを加えた画像であったこと。
この二点で、こういうサイトで「良い作品」を探しても鑑賞するくらいしかないということが分かったのである。それに、僕が生成 AI で作っている風景画っぽい画像や still life のような物体の画像というのは殆ど実例がないから、どのみち投稿された画像を眺めていれば無駄だと分かってくる。
このようなサービスが、果たして VC から投資を受けてまで継続できるものなのか、いや事業として成長できるものなのか、僕はかなり疑問がある。確かに、画像やアプリケーションのテーマなどを投稿する Deviant Art のようなサービスは、それなりに事業として長く続いている(僕が Windows の互換シェルを使い始めた2000年代からある)けれど、コンテンツの販売や投げ銭システムなどによる売上高は40億円ていどだと言われている。2018年に Deviant Art を買い取った Wix の売り上げ規模が3,000億円くらいとされているので、さほど貢献しているサービスとは言えないだろう。これに対して、Civitai の売上高は分かっていないが、株式公開は目指しているらしく(a16z が投資している理由は、恐らく別会社への売却益を当てにしているからだろう)、潜在的な評価額は300億円ていどとされているから、数十億というオーダーでの売り上げは予想できる。
ただ、これまで述べてきたことから明らかなように、法的なリスクをどうやってクリアするかが大きな課題だろう。分別していようと、同じ会社で明らかに特定の国では違法とされるようなコンテンツを無造作に配信しているのだから、このままで事業を続けられる見込みはない。また、Civitai は20名に満たない業容とされていて、明らかにリソース不足と思われるシステム運用のトラブルが頻繁に起きていて、サービスそのものを安定して提供できているとは思えない。もちろん、多くの利用者がアクセスしていることに加えて、いわゆる「アンチ生成 AI」の人々がサーバやインフラを攻撃しているからだろうが、このような負担は今後も増えこそすれ減りはしないだろう。