Scribble at 2009-05-14 00:00:27 Last modified: 2009-05-14 00:00:27

本日は自社サイトのデータベースを、新規で構築したサーバに移行する日であった。借りているデータセンターの同一ラック内にあるので、ファイアーウォールのポリシーも Trusted - Trusted 通信をポート 3306 (MySQL) だけ開けてやり、それ以外は Nagios との通信ができればよい。ネットワーク周りは早めに完了して、本日の夜21時からデータを移行する手筈になっていた。この作業は、もちろんデータベースを別のサーバへ移して、セキュリティのレベルを上げるためであった。そもそも同一のサーバに WEB と DB が最初から入っていること自体おかしいのだが、専任のネットワークエンジニアがいた頃ですら突貫でそのような構成になってしまったのだから、いかに急ごしらえだったかが忍ばれる。もちろん、いまはなき NE は当初からこのような構成には反対していたらしいのだが、まぁ派遣社員ということもあって当然ながら遠慮があったのだろう。しかし、いつまでもそういう構成ではいけないのは明らかなので、同じマシンをもうひとつ構築して DB だけ移行となったのである。で、この話が出たのはもう3月も終わり頃だったかと思う。そして、先週このサイトの運営元として名前を使わせてもらっている某社に行って打合せをしていると、「そろそろユーザや登録ユーザさんに告知しないとなぁ」という話が出ている。まぁ俺も自社サイトをそれほど細かく見ているわけではないので、油断があったことは確かなのだ。なにせ社内ネットワークと、受託案件の全開発と、自社サーバ 30 台のメンテナンスと、情報セキュリティ実務担当と、CPO と、部長職を兼任している状態のため、とにかくセーブしなければいけない。なので、まさかサーバメンテナンスの1週間前までどこにもアナウンスしていないとは思ってもみなかった。それに、この自社サイトには運営担当のささやかな部署があるし、取り仕切っているのは元々 SE をやっていた慎重かつ冷静な人物なので、安心していたのである。エンドユーザは毎日サイトへ訪れるとは限らず、週末だけ見に来るという人もいる。なので、最低でも数週間は事前に告知し続けるのが望ましい。まぁそれはいい。しかし困ったことに、このデータベース移行をしているあいだ、閲覧はともかく書き込みが発生するフォームや管理画面は使えないことが分かっていながら、メンテナンス表示への切り替えが本日の16時頃に決まって、開発を担当した外部スタッフに依頼しているというありさまである。こちらもそのようなことが(なぜか)密かに行われていたことが分からず、いったんデータを引っ張り上げた後で「まだメンテナンス表示に移行していないので待って下さい」と外部スタッフから注意されたくらいなのである。ちなみに、幸か不幸かやりなおしてデータを引っ張り上げ直しても、中のデータは全く同じだった(笑。事前に告知をしていたとは言え、サイトがエンドユーザにも登録ユーザにも使われていないというのも、これはこれで複雑な心境だ。さて、データベースの移行そのものは変哲のない作業である。粛々と SQL データをエクスポートして、新規サーバへインポートし、データの移行そのものは15分ほどで完了する。そして動作確認。・・・誰もいない。本日、運用を担当している部署の人物は体調が悪くて早退したため、それはそれで仕方のないことと思っていたのだが、このサイトの管理画面を普段から使っているはずの人々が誰一人として社内に残っていないのである。いったい、メンテナンス表示を暫定で依頼したのは良いとして、誰がそれを解除してくれと指示するのだろう。そもそもメンテナンス表示をはじめてくれと指示したのは俺だったのである。どこにどんな文言でページをアップロードしているのかも知らされていないのに。それでも、メンテナンス表示を始めてくれと指示してもらわなければ、管理画面を止められないと言われたため、仕方なく指示してサーバ移行を始めたという具合である。というわけで、関係者全員が入っているメーリングリストに「システム部では管理画面のお守りまでする気はありません」みたいな嫌みを書いて(笑、データの書き込みが新規サーバに対して正常に行われていることだけを確認し、なかば独断でメンテナンス状態を解除させてもらった。もちろん電話等で連絡も入れたが、俺から見れば後の祭りだ。もちろん、各人の自宅から管理画面へのログインを認めるよう一時的にファイアーウォールや .htaccess の内容を変更すれば今からでも確認はできる・・・などと、後から幾らでも言えるだろう。しかし、そういう話ではなく、事業に対する姿勢の問題だと思う。そんなことをその場の機転でやったところで、例えばクックパッドの運営元会社さんを紹介した新書などを見ると(本当かどうかはともかく)、事業としてのウェブサービスに対する姿勢が根本的に違うと思わざるをえない。もちろん、経営陣や管理職は各自の責任があるから、一つのサイトに張りついていろなどとは言えない。当社は大手代理店の受託制作もやっているし、他にも事業はあるからだ。しかし、それだからこそ権限を委譲して「この事業は君に任せたから、これとこれは権限を認める」としておかなければならないのである。運営担当が早退すると分かっていたら、管理画面を普段から使っている他の誰かに、業務を割り振っておかないと、ウェブサイトのことだからといって、システム部という魔法使いがいつのまにか何でもかんでも「ええあんばいで」やってくれるわけではないのだ。先に名前を出したが、もしクックパッドがただの Ruby 使いの集まりでしかなかったら、事業運営は難しかっただろう。37signals にしても、彼らが単なるアジャイルおたくでしかなかったら成功はしていなかった筈だ。ちなみに、クックパッドについて書かれた新書を読んで、「うちのサービスも Ruby で開発しよう」と思った時点で、その経営者は救い難いアホであると言ってよい。アジャイルだのリーンだのクラウドだのと言っても同じこと。なぜ Ruby の話が第3章になるまで出てこないのかをよく考えながら読むことだ。

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