Scribble at 2023-01-24 13:19:13 Last modified: 2023-01-25 09:46:48

髭剃りに関わる色々な分野の知見を集めている。髭については、インチキなものも含めて髭の分類とかファッションとか多くのページや文献があるけれども、髭剃りや毛そのものについては非常にリソースが少ない。そもそも、毛についての解剖学的に詳しいサイトすら殆どないのが実情だ。皮膚については、もちろん美容科学のサイトは数多くあるけれど、実は科学としてまともな内容の詳しく正確なコンテンツを発信しているサイトは多くない。もちろん、あの「マイナスイオン」とかいうデタラメを、いまだに電機メーカーと一緒になって公衆の場に撒き散らしている詐欺師のサイトやブログや動画も多い。大学のプロパーですら、こういう愚劣な広告に手を貸しているのだから酷いものである。

「マイナスイオン」なんてものがインチキである明白な理由は、中学レベルの化学を復習するだけで分かる。つまり、イオンという電離した状態の物質が空気中に安定して大量に存在し続けられるわけがないのだ。「マイナスイオン」とは別の、気象学で言われる負に帯電したイオンなどでも、同じく気体中に放出された正に帯電したイオンと結合するなどして、一時的に単独で存在しても数十秒で消滅する。水の中ではいくらか保たれるため、「マイナスイオン」の商品を売りつける詐欺師どもは水蒸気に含まれるなどと口答えする。しかし、空気中の水蒸気なんてものも、これまた中学の化学で習うように飽和する量が決まっている。たとえば室内が摂氏20度のときは、計算式には幾つかの方法があるにせよ、どれで計算してもおおよそ 17 g/m^3 ていどが飽和量だ。そして、そこにある水蒸気というのは純水ではないため、最初から何割かは帯電してイオンを含んでいる。よって、後から何かの「マイナスイオン装置」で陰イオンに帯電したのかどうかは誰も実証できないわけである。