Scribble at 2024-02-20 11:19:54 Last modified: 2024-02-20 11:24:15
たまに "handbook" というキーワードで色々な分野の出版物を眺めている。他にも "encyclopedia" だとか、とにかく大部の著作物を眺めていて、特に最近は電子書籍として発行するだけならコストが安くなっているために、かなりニッチな分野でも膨大なページ数の著作物が出ている。ただ、"handbook" というタイトルが付いていても、実際に目次を見ると個々に特殊なテーマで書かれた論説が集められているだけの、殆どアンソロジーと言ったほうがいいようなものも多い。そういうのは、確かに当該分野のテーマを幅広く扱っているのだろうけど、結局は体系性があるようでないし、個人の着眼点に依存しているためにトピックの選び方がおおむね MECE であると期待もできない(もちろん学術研究において完全な MECE などありえないわけだが)。門外漢が当該分野の独特なパースペクティヴだとかアプローチを知るには不適当な編集方針だと思う。
たとえば、Second Handbook of English Language Teaching (ed. by Xuesong Gao, Springer, 2019) なんかは、"provides authoritative, current perspectives on controversial and critical issues from many of the field’s leading researchers, theorists, and policy makers around the world" と編者自身が書いているとおり、まさしくアンソロジーだ。"reference book" として編集する気が最初からないように思う。なので、巻末に用語集もなければ、当該分野の基本的な文献を集めた bibliography もない。最も広い意味では(たぶん持って運べるのだろうから)"handbook" だということかもしれないが、やはり中身を先に確認できないと、こういう高額な商品を公費で本を買う大学教員のようにアマチュアがジャケ買いすると酷い目に遭う。