Scribble at 2025-05-09 07:56:51 Last modified: unmodified
特に画像や動画、あるいはこれから社内で配信する予定のポッドキャストなどを Adobe のアプリケーションで編集する作業で MacBook Pro を使うようになり、地味にイライラさせられるのが、日本語 IME を使っているときに変換を確定するために Return を2回打鍵しないといけないということだ。Gemini に理由を尋ねると、「1回目の Enter は『この候補で良いかな?』と一時的に決定する操作、2回目の Enter は『これで完全に決定!入力完了!』という最終的な確定操作、と考えると分かりやすいでしょう。この動作は、日本語入力の複雑さ(同音異義語が多い、文節区切りが複数考えられるなど)に対応し、より正確かつ柔軟な入力を行うための macOS IME の標準的な挙動となっています」と答えてくれたのだが、もちろん AI に批判能力というメタ推論は(敢えて命じない限りは)できないので、この説明そのものがアメリカ(西洋)人による文化的な強制であることが AI には分からないし、同じような無自覚なエンジニアがせっせと IME などという欠陥ツールを何十年も開発し続けているという事実への反省もないわけである。AI は、結局のところメタ議論ができるていどの知性や動機(AI の推論には動機がないから、自分が推論していることを反省できないわけで、それを無理にやらせようというのが複数の AI を連携させる API や CoRT だ)をもつヒトの知性にも、まだまだ及ばないと言える。
もちろん、脳で起きている作用は詳しく分からないが、少なくとも僕らが自分の手で文字を書いたり発話しているときに「変換」など絶対にやっていない。どうしてコンピュータにタイプするときだけ、こんな不合理で非効率なプロセスを強要されるのか。というわけで、少なくともお仕着せの状況だけは避けたいので、macOS では「Windows 風」とされている設定にした。